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引き継がれる思い(マアサ視点)

マアサ視点です

 私は今王宮の門をくぐりながら様々なことを思い出していた。


 殿下が立ち直られた後、学園時代の友人に先生になってくれるように頼むとまさかの二人ともから断られるということがあり意気消沈しているとトーラス様自ら先生を見つけてきた。


 やはりトーラス様すごいと思った。その人たちの事を話すトーラス様はすごく生き生きしていてどんな人たちだろうと思い一緒にお供させていただくてまさかの先生がウィルとオズだった。


私はびっくりしたけど、これが運命だったのではないかと思う。二人はとても優秀だ。トーラス様の未来のために素晴らしい師になってくれるだろう。

 ウィルとの会話でリディアとの仲を知られる事となったがトーラス様と話をしてリディアがどれだけトーラス様を愛しているかを伝えることが出来た。それだけで私は嬉しかった。


 そして、日に日に成長なさるトーラス様を見守りながら私が王宮にいられる1年間という期限が近づいている事に気づいた。トーラス様の身辺を固めなければと思った。殿下に忠誠を誓える真面目な人間をトーラス様の元に。私の侍女の代わりの侍女とこれから何があるかわからないから護衛込みの武官を私は探した。武官はウィルに相談すると候補が見つかり面談すると若いのにすごくしっかりした青年で話をしたら是非お願いしますと言われたのでこの青年に決まった。侍女は私の生家の使用人の一族のものがリディア付きの侍女の一人だったので侍女長に言って引き抜いた。本人も嫌そうな感じもなく誠心誠意お使いさせていただきますと言ってきたのでひとまず安心した。


 そして、侍女と武官が決まりトーラス様に挨拶しに行った。

 二人はトーラス様のお言葉にとても面を喰らった顔をしていたけど、目をギラギラさせていた。それを見て私はもう大丈夫だと思った。この二人ならトーラス様に尽くしてくれると思った。


 私の王宮でやることも一段落してしてついに王宮を去る日がやってきた。家族と会える喜びも強い。手紙は頻繁に送っていたし、夫は王宮で働いているから何回か会えていたし、でも愛しの息子と娘に会えなかったのは少し寂しかった。でも今は同じくらいトーラス様と離れるのが寂しかった。


 最後にトーラス様の部屋を訪れお別れの挨拶をした。泣いてしまった。そして不敬にもトーラス様の事を我が子のように思っていますと言ってしまった。トーラス様も私の事をもう一人の母上だと言っていただいた。本当に嬉しかった。トーラス様はどんな素晴らしい方になるんだろうか? 私はそんな事を思いながら家へと向かった。


 屋敷に着くと二人の子どもと夫と使用人たちが勢揃いで迎えてくれた。

 みんなからいろいろな言葉をかけられて我が家に戻ってきた実感がふつふつと沸いてきた。

 この1年間会えなくて寂しい思いをさせてしまった。二人にごめんなさいね。これからはずっと一緒よと言った。


「大丈夫だよ。お母様は王宮に第三王子さまを助けに行ってたってお父様に聞いたもん。すごく寂しかったけどお母様に言われた通りいい子になるように頑張ったよ。お母様にこの1年の成果みせてあげるんだから! それで母様、王子さまはどんな方だった? もう大丈夫なの?」


 娘の言葉に本当に良い子に育ったなぁと嬉しくなった。


「王子さまはもう大丈夫よ。お元気になったわ。とても素晴らしい方よ。リディアナと同い年だから13歳になったら学園で会うことになるわ。私はこれ以上は言わないわ。あなたの目で見て判断してちょうだい」


 リディアナは少しむくれていた。リディアナには是非、先入観なしでトーラス様と出会って欲しいのだ。


「学園に行くのが楽しみだなぁ。早く王子さまに会いたいなぁ」


 私はトーラス様とリディアナが学園で出会いどんな化学反応が起きるのか思いを馳せたのだった。



これからの話ではマアサから娘のリディアナにバトンタッチです。

この後、ウィルフリート、オズワルド、フロース、リネット視点の話を書いた後、学園編に突入したいと思います。恋愛要素が今まで一切ないので学園で恋は生まれるのか?

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