新たなる出会いと近づく別れ
あの充実した1日から半年が経っていた。
その間も文武共に充実した時間を過ごす事ができている。体力もつき、昔より比べられないくらいいろんな事ができるようになった。日々学ぶことすべてが自分自身を構成する一部になっていくようでとても最高の時を過ごせている。
ウィル先生の指導は的確でまだ10歳の僕の事を考えてカリキュラムを組んでくれているし、オズ先生もとても厳しく求められる合格ラインは高いけどそれを達成した時はよくやったと誉めてくれるしわからない事があったら親身になって教えてくれる。
この二人の先生の指導が受けられる自分は本当に幸せ者だなぁと毎日思っている。
そんな時間を過ごしていたある日、マアサが部屋に二人の人物を連れてきた。
「殿下に紹介したい者達がいます。お部屋に入室してもよろしいですか?」
ノックの音と共にマアサの声が聞こえた
「わかった。入ってくれ」
僕がそう言うと部屋に入ってきた。
マアサの後ろから若い男性と女性が続いて入ってきた。若いといってももちろん僕よりは年上だ。
男性は騎士の軽装姿。女性は侍女服を身に纏っていた。
「二人とも殿下に挨拶なさい!」
すると二人は頷き男性が一歩前に出た。
「殿下、お初にお目にかかります。フロースと申します。王国近衛隊に所属しております。本日より第三王子付き武官および護衛の任に就きました。これからよろしくお願いいたします」
続いて女性が前に出た。
「殿下、お初にお目にかかります。リネットと申します。第三妃付き侍女をしておりました。本日より第三王子付き侍女に着任いたしました。よろしくお願いいたします」
二人は僕専属の武官と侍女のようだ。頭の中で考えを整理て言葉を返した。
「挨拶ありがとう。僕が第三王子のトーラスだ。まだまだ若輩者だけど君達に恥じない主になれるように頑張るよ。だから僕の助けになってほしい。僕の言うことを聞くだけの臣下はいらない。僕が間違った事をしてしまったら諭し怒ってくれる人であってほしい。僕が君達に望むのはそれだけだ。これから一緒に頑張ろうね」
僕の言葉に二人は一瞬唖然としていたけどすぐに二人揃って頑張ります。と言ってくれた。
この二人となら仲良くやっていけそうだ!
「私からも二人を紹介させていただきます。二人は共に平民の出ですがとても優秀です。トーラス様の力になってくれると私は信じています。このたび殿下に専属武官をつけさせていただいたのはいついかなる時に殿下に危険が迫るかわかりませんので侍女長を通して国王に許可を得て私が人選を決めさせていただきました。フロースはウィルも一目置くほど優秀で真面目と聞きます。トーラス様のお力になると思います。リネットは私の生家の使用人の一族の者で王宮に招聘されるほどの優秀さです。私はもうすぐ殿下の元を離れなければなりませんので代わりに私の信頼できるものを選びました」
マアサの言葉にマアサが僕のために二人を選んでくれたのか見に染みてわかった。
とても嬉しかったが反面マアサが僕の元を去る時間が近づいている寂しさを感じていた。
フロースとリネットは最初はとても緊張していたが日が立つにつれて徐徐に馴染んできたようで、よく尽くしてくれている。僕も兄さんと姉さんが出来たみたいでとても嬉しかった。
まぁ本当のお兄さんとお姉さんはいるんだけどね。
そんな日々を過ごして毎日が過ぎていきマアサが王宮を去る日がやってきたのだった。




