↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代でスライムが発見されました~食べると若返るみたいですが、僕は変異種を食べて無双します~  作者: 信仙夜祭


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/23

第18話 怜奈さんを説得しようと思います

 とりあえず、最低限の合格は頂いたみたいだ。

 話を聞くと、防御や回避など、怪我をしないことが最低条件なんだとか。

 攻撃方法が多彩な楓さんが、基準設定をしているらしい。

 楓さんは、オールラウンダーであり、独りでモンスターを討伐出来るのだとか。

 初日の、焔さんは――入隊試験だったのかな?


 その後、攻撃力の確認をして貰う。


「ふ~ん。〈固定〉と〈崩壊〉か……。土属性かな?」

「……一概に言えない」

「ちげぇだろ。属性はないんじゃないか? 既存の物理法則にこんな現象ないし」

「……有用とは言える。モンスターを倒していたし」


 牧先生が纏めてくれる。


「今までのデータから、モンスターの能力をキャンセルする能力だと、推測されているわ。もしかすると、雨会婆《アメーバ》島対策の切り札になるかもね」


 四人が、渋い顔をする。

 雨会婆《アメーバ》島――僕でも知っている、日本の汚点だ。


「確か、雨会婆《アメーバ》島って、研究所があったけど、今は立ち入り禁止になった島ですよね」


 突然、モンスターが溢れて、放棄した島だ。第七研究所だったかな?

 ミサイルで平らにしたんだけど、モンスターは討伐出来なかったらしい。

 森を全て焼くか、枯葉剤を撒くかで話題になったけど、元島民が反対していたんだよな。海洋汚染も危惧されていた。そんな議論をしていたら、突然森が発生したんだ。植物の大発生だった。

 その後、放置に決まった。モンスター同士が共食いを行って、数が減るのを待っていると聞いているんだけど……。


「そそ。奪還に何度か精鋭を送り込んだんだけど、敗走を繰り返しているわ」


 奪還? そんなことをしていたんだ?

 更に話を聞くと、スライムが大繁殖して、それを食べた昆虫に支配されてしまったのだとか。

 一般には、公開していない情報だな。それと、『精鋭』ね……。

 『覚醒者』の一番の死亡理由が、雨会婆《アメーバ》島じゃないといいな。


「黛を除いた三人は、魔法による物理攻撃だからね。でも、才羽を加えたら行けそうじゃない?」


「「「「二度とゴメンです。昆虫は気持ち悪い!」」」」


 この四人が、拒絶するほどのモンスター数が生息しているのか。

 というか、4人は行ったことあるのか……。あの島に。



◇



「下の世代ってどうなっていますか?」


 教室に戻って、疑問に思ったことを聞いてみる。


「私たち以外にはいない……は、正確な表現じゃないね。能力の低すぎる奴が少々かな。前線に出せてない。見いだされる前に能力《スキル》を使って特攻した奴は、殉職か再起不能がほとんどだね」


 牧先生が答えてくれた。


「4人が引退したら? 義務は22歳までなんですよね?」


 楓さんが、答えてくれた。


「牧先生の例があるじゃない? まあ、残る人は残れるんだよ。スライム防衛隊に入隊してもいいし。それに才羽は才能に目覚めてから一年経ってないんでしょ? 後輩は、いきなりポッと出て来るんだよ」


 再度、牧先生を見る。


「牧先生は、……残った?」


「まあ、そうだね。スライム防衛隊に入隊しても良かったんだけど、黛が心配でね。教職につかせて貰ったわ。これから7年間は、黛と行動を共にするつもり」


 分かる。……若干嘘が混じっているな。

 牧先生は、怪我した防衛隊員を回復するのが、最も貢献できる。でも、黛さんの生存を最優先に考えたのか。

 黛さんを見ると、寝ている。肯定も否定もしないと言ったとこか。

 黛さんは、日本としても失えない、貴重な『覚醒者』なんだな。


「さあ、雑談は終わりにしよう。今日は、過去の変異種のおさらいだ」


「「「私たちは、全部覚えているよ~」」」「……」


「才羽に合わせろ~」


 今後の授業って、どうなるのかな?

 スライム関係のみ?

 魔力制御を教えてよ。



◇



 下校時刻になった。

 僕たちは、部活に入ってはいけないんだそうだ。例え、文科系でもだ。

 金属スライムの摂取は、それほど他を圧倒するんだとか。

 特に僕は、ポイズンスライムも摂取している。運動神経というか、身体能力が普通の人以上だ。

 自転車での競争だけじゃない、陸上部とかの動きを見て、判断した。


「多分だけど、自分の潜在能力を引き出しているんだろうな」


 水泳なんかしたことないけど、一日で泳げるようになるんだろうな。

 陸上大会なんかに参加すれば、大会レコードを更新できるかもしれない。

 でも見せつけて、優越感を得る意味もない。


 運動場を一瞥して、僕は帰路に着いた。



「自転車だと、時間は自由に取れるんだよな……」


 途中で寄り道をしてもいいけど、欲しいモノもない。買い食いもしたくなかった。


 家に着くと、怜奈さんはいなかった。

 僕の方が、授業が早く終わるみたいだ。

 テラスで、経口補水液を飲みながらのんびりする。

 そうすると、怜奈さんが帰って来た。


「お帰りなさい」


「ただいま戻りました」


 食材の入った袋を受け取って、一緒に家に入る。

 怜奈さんは、そのまま夕食を作り始めた。

 僕は、リビングでその光景を眺める。


 手早く、夕飯が作られた。夕食は、またハンバーグだな。僕の好物と思ってくれているのかもしれない。


「頂きます。……美味しいです」


「……よかったです」


 怜奈さんは、怒っているのかな? 無言だ。いや、困惑してるんだろうな。

 ご飯をおかわりして、満腹感を味わいながら夕食を終えた。


「ごちそうさまでした」


 怜奈さんが、無言で食器をかたずける。

 これ……、どうしようかな。



◇◇◇



 怜奈さんが、夕食の片付けを始めた。

 僕は、後ろから抱きしめてみる……。


「ひゃっ!? ……何をするんですか!? 性欲の処理は、契約に含まれていませんよ!?」


「好きです。怜奈さん」


 ――パン


 腕を解かれて、平手打ちされてしまった。

 怜奈さんは、自分の部屋に籠ってしまう。


「間違ったか……。甘えるのは間違いみたいだ」


 その日は、食器を僕が洗った。



 シャワーを浴びて、僕も自室に入る。

 ここで、スマホが鳴った。緊急用の方だ。


「C-2地区? 遠いな……」


 送迎車が来ると思う。準備だけするか。

 そう思ったんだけど。


 目の前の空間が歪んだ……。


「……才羽。準備出来ている?」


「黛さん?」


「ちっ。最中じゃなかったか……」


 何の最中ですか? つうか、不法侵入ですよ?


 話を聞くと、転移魔法なんだとか。

 遠い場合は、黛さんが迎えに来てくれるらしい。なんで僕の家の場所を知っているのかは、後で訊こう。

 そのまま、歪んだ空間に足を踏み入れる。


 空間を抜けた先には、暴れているモンスターがいた。小型だけど、尻尾が長い。


「私は、攻撃力がない。才羽……、後は頼んだ」


 見ると、銃弾が消えている。

 当たる前に、消されているみたいだ。地面もかなり削れている。モンスターが、触れた物質を消滅させている?

 半分消えた銃なんかが、散乱している。鋭い刃物でも、こうは切れないだろう。


 僕は、左右の魔力を展開した。

 モンスターの前に立つと、僕に向かって来る。

 僕は、そのモンスターの突進を受け止めた。


「牧先生の分析通りだな。物理法則の異なるモンスターであれば、僕の魔力でキャンセルできる……」


 分析が外れていたら、僕が消滅していたかもしれないけど、何となくできる気がした。

 結構、危ない思考になっているのかもしれない。


 次の瞬間に、モンスターが拘束された。

 黛さんの魔法のようだ。


「君! 下がってくれ! 一斉掃射する!」


 それでもいいんだけど、万が一がある。

 僕は、モンスターの頭に左手を添えた。

 銀色の〈崩壊〉の魔力を送ると、脳の部分が崩れ落ちる。モンスターの核が見えたので、掴んだ。

 その後に、僕は下がった。


 防衛隊の発砲で、モンスターが穴だらけになる。

 黛さんが、拘束を解くけどモンスターは動かない。討伐完了かな?


「核を渡してくれないか?」


「はい」


 スライム防衛隊員に、モンスターの核を渡す。

 この核……。使い道があるんだろうな。僕にも有効なのか知りたいけど、機密事項になると思う。

 使い方の内容により、世界がまた鳴動するだろうし。


「お疲れ。送る」


 黛さんがそう言うと、歪んだ空間が現れた。

 疑う理由もないな。

 そのまま、歩を進める。

 そして、自室に戻って来た。


「便利なんだな……。〈転移〉になるのかな? それと、靴も用意しておこうか」


 今日はスリッパだったけど、スニーカーくらいは必要だと思う。

 黛さんは、僕の部屋に入って来ずに、歪んだ空間が消えた。

 労いも、祝勝会もない。スライム防衛隊ってのは、淡白なんだな。



 その日は、そのまま寝ることにした。もう一度シャワーを浴びてもいいけど、怜奈さんに気取られたくない。

 眠りにつきながら、色々考える。


「牧先生と黛さんが、防衛の要なんだな。僕を含めた残りの4人は替えが効く。それと他の研究所は、どうなんだろうか……」


 この街だけ、変異種のモンスターが現れるというのは理屈に合わない。

 まだ数の少ない『覚醒者』。

 『覚醒者』の数が増えて、防衛態勢が整うのが先か、モンスターに研究所付近の土地を取られるのが先か……。

 最悪、日本の国土が、人の住めない土地になるかもしれない。



 朝目が覚めたので、シャワーを浴びる。怜奈さんは、何も言わない。

 無言で、朝食を頂く。


「ごちそうさまでした」


「……お粗末さまでした」


 これ、どうしようかな。

 どうしたら、機嫌を直してくれるのか。


 ――ピンポーン


 ここでインターホンが鳴った。


「僕が出ますね」


「お願いします」


 ――ガチャ


「「「「おっはよ~」」」」


「楓さん? っと、皆も?」


「その他、一纏めにされた……」


 朝から、4人が僕の家に来た? 牧先生はいないんだけど……。


「えっと……、お友達ですか? 朝から?」


 背後から怜奈さんが、声をかけて来た。


「ク、クラスメイトです」


「まあまあ……」


 やばい、絶対誤解している。



 その後、怜奈さんはすぐに準備して看護学校に行ってしまった。

 僕は……、頭が痛い。


「え~と、朝からどうしたのですか? つうか、もう遅刻ですよね?」


 一応、お茶を用意する。


「うちらさ、授業はもう意味ないじゃん? そんで、昨晩、まゆっちが、才羽の家に遊びに行ったから、私たちも来たの。そんで、さっきの人だれ? モデルみたいだったんだけど? お姉さん?」


 遊びじゃないでしょうに。


「家政婦さんですよ。看護学校に通いながら、僕のお世話もしてくれています」


「ふ~ん。いい生活してんだね~」

「だから、私たちにも興味がない……と」

「綺麗な人だった」


 すっごい、誤解しているな。


「ゴホン。皆が想像していることは、なにもないですよ?」


「私たちを口説いて来ない時点で、信用できないんだよな~」


 全員美少女と言えるけど、僕は異性として興味がないかな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。