↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
91/100

深呼吸

震える

準決勝の相手は高知県こうちけん宿毛すくもリトルに決まり、旅館でも試合前にもいつもよりも入念にストレッチを行う杏菜あんなが投げて打って福山ふくやまPhoenixリトルを決勝戦に導く。そう気合いを入れていた。


ユニフォームに袖を通して頬を何回かパンパンと叩いて集中力を高めてベンチに座る。杏菜あんなは久しぶりに試合前のノックには入らずにブルペンで投げ込んでいた。サブキャッチャーの子からは右投げでも左投げでも調子がよさそうだね。ストレートも手元でノビがあるし、変化球のキレも申し分ないとハッタリでも何でもそう言われると嬉しい。


この日のスタメンは1番ピッチャー杏菜あんな、3番キャッチャー虹恋にこちゃんと前の試合後に言ってた通りになっていて安堵あんどする杏菜あんなであった。ブルペンで肩を作らせておいて違うポジションで起用するのは水瀬みなせ監督ならば往々にして有り得る。


整列をし、挨拶あいさつをしてマウンドに向かう杏菜あんな。マウンドをならしながらブルペンではよかったけど、試合に入ったらどうなのかなと少し不安になっていていた。


まずは右投げとして、虹恋にこちゃんからのサインはインコース低めにカットボールが要求された。なるほどねと縦にうなずきて投げ込むがボールになってしまった。下を向いていいとこ投げたけど取ってくれないかと思っていて上を向くと、そこには虹恋にこちゃんがいた。思わず虹恋にこちゃんにサイン間違えちゃった?それともボールが走ってない?そう尋ねた。


「サインも間違っていないし、今のカットボールよかったよ。初球から際どいコースに投げれてスゴい。今日の審判キツめだね。特に何か用事あって来たわけじゃないからどんどんコーナーにサイン出していくから頼むよ、杏菜あんなちゃん」


虹恋にこちゃんの言う通り、今のカットボールはストライクコールして欲しかったけどもこの日の審判がキツめかどうかは分からない。だって杏菜あんな1球しか投げてないのに。


ムービングファストボールやスローカーブ、ストレート、パームと全球種見せながらも1イニング10球で仕留めた。このペースでいけば60球で決勝戦には投げられないかなと頭の片隅で考えていた。


1回裏、1番打者の杏菜あんな打席。ボール球を振らされないためにも際どいボールはカットして甘く入ったボールを狙おうとしていた。だが、ボール球だなと見送ったボールがストライクゾーンギリギリに入って呆気なく3球で見逃し三振をしてしまった。


相手ピッチャーも打たせて取るピッチングで、あからさまに杏菜あんな虹恋にこちゃんだけ三振を狙いに来ていた。それにことごとく三振してしまう。


右投げ、左投げと交互にイニングが進むにつれて変えていって抑えてはいるものの未だに先制点が取れずに苦戦をしている福山ふくやまPhoenixリトルだった。気がつけば延長戦に突入して、タイブレークになっていた。


ここまで球数50の杏菜あんな。疲れはあるものの球数制限には引っかからない。ノーアウトランナー1、2塁からのスタート。エンドランと送りバントに気をつけながらアウトコース高めにムービングファストボールを投げると飛び出していたランナーもアウトにしてトリプルプレーをピンチをしのぐ。


その裏、打席には虹恋にこちゃんが回ってきて普段しない送りバントを決めた。その時、相手のサードが悪送球にて1対0でサヨナラ勝ちを収めて決勝戦に駒を進めた福山ふくやまPhoenixリトル。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。