平常心
慌てない
全国大会の開会式が磐梯町にある新しく出来た球場でもある、磐梯ピーチスタジアムFUKUHSHIMAが行われた。去年は記念大会だから16チームで広島県の福山Phoenixリトルと前に虹恋ちゃんがいた島根県の浜田松蔭リトルが出ていたのかと考えていた杏菜。
今年は北海道、東北、関東、関東、東京、信越、東海、関西、中国、四国、九州の連盟から優勝したチームが全国から集結をする。記念大会は順繰り巡りで2チーム出場出来るケースがある。
全国の精鋭が集まる中で選手宣誓を務めたのは我ら福山Phoenixリトルのキャプテンでもある浜田虹恋ちゃん。
選手宣誓の言葉を聞いて気持ちを引き締める杏菜。ここから全国の頂点を目指しての戦いが始まる。
開会式が終わって旅館に戻らずにスタンドに向かう。その理由は福山Phoenixリトルの登場は2回戦からで、開幕試合の勝者と戦う事になるからだ。シードで待たされるのは予選で慣れっこになっているためにチームメイトみんな開会式が終わってからのスタンド移動はスムーズであった。
開幕試合、北海道を勝ち上がってきた洞爺湖中央リトル対地元の福島県の磐梯猪苗代リトルの試合が始まろうとしていた。水瀬監督、直々にスコアブックを持って今か今かと試合を待っている。
そして試合が始まった。両チーム共に先発ピッチャーストレートのノビも変化球のキレ共に虹恋ちゃんに見劣りしないと誰もが感じていた。予選もトーナメント戦のため、負けたら終わりだからどこのチームも気迫が違うが全国大会ともなればそれは段違いだなと感じる。
球威が重いからなのか、出てくる選手みんなバットを短く持って打席に立つ。際どいボールは徹底してファールにして甘いボールを狙う。フォアボールでもデッドボールでも何でもいいから塁に出る。天を取ろうとする執念はスタンドで見ていた福山Phoenixリトルの選手達にも伝わる。
試合が1イニング、2イニング、3イニングと回が進んでいってお互いにヒットやフォアボールで塁にランナーを出すもののダブルプレーや三振で後続に打ち取って無得点に抑える。
お互いのピッチャーの出来を見て、戦況を見つめる
キャプテンの虹恋ちゃん。回が進んでいくにつれて1点の重みであったり、この試合もしかしたらタイブレークまでもつれてもおかしくない。
タイブレークとは、試合を早く決着させるために導入されている制度で0アウトランナー1、2塁の状況
からスタートする形になる。
虹恋ちゃんの予想はズバリ当たって延長戦に突入して、7回も無得点で8回に入ってタイブレークで先攻の洞爺湖中央リトルが打て打てと意地の2点を取って8回裏に入る。
8回裏、磐梯猪苗代リトルの先頭打者が送りバントを決めて1アウトランナー2、3塁。タイムリーで同点に追いついてヒットとフォアボールで再びランナー1、2塁になる。そしてまた送りバントで2アウト2、3塁。そして最後はピッチャーのワイルドピッチでゲームが終わった。
ここまで投げてきたピッチャーにとっては無情な思いだろうなと感じていた杏菜と虹恋ちゃん。ピッチャーをやっているだけあって、背筋が伸びる気持ちだった。
試合が終わって、水瀬監督からこの試合を見ての通りタイブレークの練習を重点にやっていこうという練習の方針を示した。




