待機
長すぎる
梅雨が過ぎ、暑い夏が差し迫っていた。海の日辺りからの3連休から夏休みの学校が多くてその辺からリトルリーグも夏の大会が開幕する。
福山Phoenixリトルは県大会ではスーパーシードで決勝戦なので夏の大会が開幕するまでの土日は全て練習試合を組まれていた。とはいえ、梅雨が明けても尚、大雨によって中々試合が出来ずに夏の大会が開幕してしまう。
こうなるともう練習試合をしたくても出来ない現状にある。それはリトルリーグに所属する人数が多くないし、出ていない子達を試合に出すキッカケにもなるからいいと思われがちだがそう簡単な話ではない。なぜならば、練習試合をすると言っても選手を起用する、何かあった時に対処する監督者がいなくてはならないから。公式戦が始まっている裏で練習試合を組んで試合をしてくれる程、現場に人は多くないからだ。
ならばリトルリーグだけでなく、範囲を広げればいいと考えがちだがそうでもない。強豪校と呼ばれる高校ならばチーム制をしいているかもしれないが、そもそも小学生のリトルリーグチームが高校生と練習試合をしたところで、サンドバッグになるだけで練習試合にもならないしお互いにするメリットが全くないと言っても過言ではない。
すると残された選択肢は紅白戦しかない。とはいえ公式戦独特の緊張感というのは紅白戦にはない。その上、スーパーシードで県大会を1試合だけというのは負ければそこで夏の大会が終わる。いつもする紅白戦とは意味が違う。
主力と対戦して怪我をさせてはいけない。主力が抜けたら余計にたかが1試合で全国大会に行けなくなる。簡単でとても難しいと感じる1試合はないと感じていた杏菜。
大会が始まっている傍らで自分達はいつもの様に練習をする。結果が分かればその都度キッズスマホで情報を確認をしたり、練習が終わってからや休みの日は欠かさず球場に足を運ぶ杏菜。その姿を見てキャプテンの虹恋ちゃんは別会場で試合を見て、結果を共有する。
相手がどこになるか分からない以上、ホントは全試合観た上で対戦相手の弱点や作戦の傾向を見極めて練習をしたいがその時間の猶予はない。
この話を周りにすればもしかしたらどうして選手がそこまでするのか?それは監督やコーチの役目ではないだろうか?そう思う人もいるかも知れないが、仮に頼んだとしても複数会場で大会運営がされているために事実上不可能だと考える。
考えに考えた末、1つ案を思いついた杏菜。それは夏の大会で負けたチームに練習試合をしてもらう案をキャプテンの虹恋ちゃんに提案した。
だが、それは相手を逆撫でするだけだよ。こっちも夏の大会が終わっているならともかく、試合感覚のために負けたチームに試合を申し込むというのは、ちょっと相手に配慮が足りないから水瀬監督もいいとは言わないよ。
虹恋ちゃんとそう話をしている間に夏の大会は準々決勝の対戦相手が決まっていて、ここまで来たら正直どこが来ても強いと感じていた杏菜。相手の勢いに飲み込まれないためにもまずは初回に先制点を取るのが先決だと考えていた。




