黄金バッテリー
意思疎通
新生、福山Phoenixリトルにてバッテリーを任されて、どちらかが投げている時はどちらかがキャッチャーをする様に通達された杏菜と虹恋ちゃん。バッテリーを組むに伴ってお互いに投げる球種を把握して置いた方がいいのではないかと考えた杏菜。
とはいえ練習中にはそこまで話が出来る時間があるかと言われたら、そんなにない。じゃあ学校の教室で話そうと思いつつもそれもどうかと思い、消去法で個人LINEで聞こうと決めた杏菜。
「杏菜の球種はストレート、ムービングファストボール、チェンジアップ、パーム、スローカーブ、カットボールを投げるよ。虹恋ちゃんの投げる変化球を改めて教えて欲しいな。杏菜がキャッチャーをしている時のコースはストライクゾーンを9分割してインコース高めから1番にしてサインを出す感じでやってたけど、どういう感じにする?」
中学受験の勉強で忙しいのかなとスグには返事が来ずにいて、マナーモードに設定して杏菜もお受験に向けてお勉強をしようかなと考えていた。その時だった。
LINEで電話がかかってきた。相手は虹恋ちゃんで何か急ぎの電話かも知れないし、野暮用かも分からないと急いで電話に出る杏菜。
「杏菜ちゃん、ゴメンね。学校の宿題を片付けるのに時間がかかっちゃった。それで虹恋が投げる変化球はストレート、ツーシーム、ムービングファストボール、スローカットボール、カットボール、スローカーブ、超スローパーム、超シュートちゃんニコニコを投げる。別名、7色に操る少女、浜田虹恋。コースに関しては杏菜ちゃん方式で行こうかなと思うよ」
これを聞いた杏菜としては7色に操る少女と言いつつも、言った球種は8つ。それにスローパームはまだしも、手元で曲げて内野ゴロを打ち取るためのカットボールがスローで大丈夫なのかと疑っていた。それに超シュートちゃんニコニコが気になって仕方ない。キレ味がスゴかったら捕球出来る自信がない。
虹恋ちゃんに超シュートちゃんニコニコっていう響きが怖すぎてキャッチングする前から怯えていると伝えた。すると電話の向こう側でフンという笑い声が聞こえてきた。
「説明しよう。この超シュートちゃんニコニコとはピッチャーの浜田虹恋が最も得意とする変化球であり、イメージとしてはカットボールが右バッターの内側にくい込んで来る逆で、左バッターの内側にくい込む変化球である。この超シュートちゃんニコニコでリトルリーグの凡ゆる猛者達が震え上がって抑えてきた変化球でもある」
この戦隊モノの説明が余程気に入っているのかな。とはいえ、対戦相手だった時も味方になってからもその「超シュートちゃんニコニコ」と呼ばれるボールをお見受けした記憶が全くない杏菜であった。実はまだ投げていないだけで、隠し球を持っているのかと不思議に思っていた。




