文武両道
やるからには
たんぽぽ女子中学校、通常ぽぽ女の受験をする表明を決めた杏菜と虹恋ちゃん。今は病室にいるが、診察やリハビリの時間を除いては学校の宿題と中学受験の勉強をする。
杏菜は肉離れ、虹恋ちゃんは剥離骨折と野球が出来ないもどかしさを勉強にぶつけるくらいの気持ちでやっている。とはいえ、福山Phoenixリトルの戦況も気になっていた。
グループLINEで練習試合や大会での試合があれば、その都度スコアはどうだったのか?個人成績はどうだったのか?スコアブックで書く内容をそのまま送って欲しいと伝えた杏菜。まさかここまで野球にのめり込むとは始めた当初は考えてもいなかった。
キッズスマホを全く触れずに勉強に全振りをしたのかと聞かれたらそうでもないと答える。その理由は杏菜ママや杏菜パパがお見舞いに来てくれる時に何か欲しいものがあれば言ってと言ってくれるし、テレビや新聞でも時事ニュースをするが、地元関係のニュースに関してはスマホのニュースで詳しく取り上げられる場合があるから。
自分1人じゃない。そう奮い立てる杏菜。当時は高校受験だったが、同じ会場で共に凌ぎを削った虹恋ちゃんがいるから頑張れる。頑張れる理由を改めて虹恋ちゃんに聞く必要はない。かわいい制服を着て学校に行くという理由はあの時も今も変わらない。
集中を越えてもう過集中で勉強をする杏菜と虹恋ちゃん。看護師さんや栄養管理士さんが病室に入ってきて、診察やリハビリにご飯の時間だよと言われるまでずっと勉強していた。
ある日、杏菜と虹恋ちゃんと同じタイミングでリハビリをする事になった。車椅子に杏菜と虹恋ちゃんそれぞれ乗ってリハビリ室に向かっていた。根詰めた状況で、最近笑ったのはいつだろうと考えた杏菜。もう欠伸したのも思い出せない。
それを見た虹恋ちゃんが声をかけた。
「杏菜ちゃん、暗い顔をしてどうしたの?かわいいお顔が台無しだよ。くらえ、ツインテールクルクルニコニコアタック。何度でもするよ」
入院が決まった時も明るく元気で、今も気持ちが下がっている杏菜を笑わせようと代名詞の「ツインテールクルクルニコニコアタック」をしてくれる。ホントは虹恋ちゃんもリハビリや中学受験の勉強で大変なのに気遣ってくれる優しい女の子だなと感じていた。
1学期中、1度も学校に行けずに夏休みを迎えてしまった杏菜と虹恋ちゃん。勉強をしつつも早期にグラウンドに戻りたいとリハビリに取り組んでいた。
そして、グループLINEで福山Phoenixリトルの夏は県大会の初戦は1回戦で負けたと届いた。それを見た杏菜と虹恋ちゃんは申し訳ない気持ちでいた。もし、自分達が怪我をしていなかったら勝っていたかもと思うと秋には絶対に全国制覇すると誓った。




