攻防戦
何という姿
ご飯を食べ終わって特にパジャマを持って来ている様子のない虹恋ちゃん。かわいいお洋服に着ているなと思いつつもその格好で寝るのかと聞いてしまいそうになっていた杏菜。
部屋の中にある箪笥を漁ってみるもののパジャマになりそうなのが中々見当たらず、学校のジャージ。ガッツリ福山という名前が入っているから渡そうかどうしようかと悩みつつも虹恋ちゃん、パジャマ代わりにと渡す。
幸いなのは杏菜と虹恋ちゃんのサイズが変わらない。ちょっと大きいくらいで見てもそこまで気になるほどではなかった。電気を消して寝ようとする杏菜に声をかける。
「杏菜ちゃん、急に遊びに来てゴメンね。お父さんがいつでも遊びに来ていいよって言われたからつい遊びに来ちゃった。虹恋が急に来たからお母さんにも叱られなくていいのにゴメンね。でもこれだけは言わせて。杏菜ちゃんといると居心地いいし、家に泊まらせてもらって余計にそれを感じるから。つい……」
杏菜としては共にいて居心地がいいと言われる分には悪い気はしない。同じ女の子で野球をしているのに比べ物にならないレベルなのに、謙虚だし礼儀正しいのに驕らない。同級生なのに人として尊敬しなきゃいけない。なのに人懐っこくて「ツインテールクルクルアタック」とかするしどこにいても会話の中心にいるな。
そう思いながら虹恋ちゃんを見ると幸せそうな寝顔をしていてツンツンとイジワルしたり、このかわいい笑顔をキッズスマホで撮りたいと思いながら眠りにつく杏菜。
翌朝、1つのLINEで目が覚めた杏菜。誰なのかと確認をすると虹恋ちゃんだった。隣にいるから喋ってくれればいいのに。余程ならば、起こしてくれれだよかったのにと思って開いてみた。虹恋ちゃんからのLINEに驚いた。
それは杏菜の寝顔写真が送られてきていて、寝顔がかわいすぎたのでつい写真を撮らせてもらいましたという言葉が添えられていた。
横を見ると虹恋ちゃんはまだ寝ていた。やられたらやり返してあげようと虹恋ちゃんにはいチーズと言うと、ピースをし始めた。
杏菜が思わず声を上げた。
「虹恋ちゃん起きてるでしょ?人の寝顔を勝手に撮って、それは盗撮ですよ。実は言ってなかったけど杏菜も虹恋ちゃんの寝顔を撮らしてもらっから後で送っておくね」
そう言えば虹恋ちゃんが少しは怯むだろうと牽制をしてみた。
「杏菜ちゃん、私を誰だと思っているの?カボチャ戦隊パンプキンマン、そして読心術を持つ浜田虹恋だよ。ホントは寝顔を撮っていないのに撮ったって言えば怯むだろう?ちょっと牽制してやろうと思ったんじゃない?違う?」
完敗ですと負けを認める杏菜。これを朝の6時からしていて、杏菜ママからLINEで盛り上がっている時に申し訳ないけど時間を見て騒いでくださいと送られてきた始末だった。




