聞かせて
ヒミツ
学校に馴染んで来ている虹恋ちゃん。元気で明るくて前よりもクラブ内に活気がある感じがしていた杏菜。リトルリーグでも誰よりも野球が上手いのに、それをひけらかす感じではなく謙虚で1番声を出している。
杏菜としては、虹恋ちゃんみたくなりたい。夏の全国大会で対戦した時にバッターボックスで感じたストライクゾーンにきたからスイングしたり、バントをしたがその時にはバットの下を振っていてバントもまともにさせてもらえなかった。どうしたらあのボールが投げられるのか。
例えるならば、ソフトボールでよく投げられるライズボールというボールでストライクゾーンにきたから振ったら浮き上がってボール球を振らされるあの感覚に近い感じでいた。
金曜日、授業が終わって帰ろうとしている虹恋ちゃんに声をかける杏菜。投げ込みをして、試行錯誤をして身に付けたあの独特の秘密兵器とも言えるボールを教えて欲しいと言って2つ返事でいいよと教えてくれないと分かりつつも頭を下げようとお願いをしてみた。
「虹恋ちゃん、ちょっといいかな?この後時間ってあるかな?よければ公園でキャッチボールしない?夏の全国大会で見た虹恋ちゃんのあの浮き上がるストレートを杏菜も投げたいの。無理だと言うのは分かるけど、是非とも教えてください。お願い」
そう頭を下げた杏菜。しばらく虹恋ちゃんは考えていいよと笑顔で答えてくれた。
「仲間がレベルアップすればチームが勝ち上がる確率も上がるし、何よりもリトルや学校で右も左も分からない虹恋に色々と気にかけてくれたのは他でもない杏菜ちゃんだし、読心術を持つモノ同士いつか聞かれると思ったよ」
流石読心術を持つ虹恋ちゃん。杏菜の考えはもうお見通しではなく、筒抜け状態に近いと言える。
家の方角が違うから帰ったら河川敷のグラウンドに来てと約束を交わした。それを聞いて杏菜はお気に入りであるピンクのリストバンドとピッチャー用グローブ、キャッチャーミットを持って自転車で河川敷グラウンドに向かう。
杏菜が着いた頃には虹恋ちゃんは既に着いていて、声を変えようとしたら欠伸をして待っていた。
虹恋ちゃんに声をかけて、ブルペンに向かう。まず、キャッチャーミットを付けて虹恋ちゃんのボールを受ける杏菜。ど真ん中に構えているのに捕球した時には何cmノビているのか聞きたいくらい浮き上がっている。
虹恋ちゃんに握りはボールの縫い目(Hのライン)に人差し指、中指、薬指などを深く、または浅く引っ掛けます。親指も縫い目にしっかりと掛けて固定し、手のひらとボールの間にわずかな隙間を作る。
リリースする時は腕を振って下からリリースする際、ストレートのように手のひらを前に向けて投げるのではなく、リリースの瞬間に手首を縦に使います。ドアノブを上方向にひねるような感覚でボールを真上に弾き上げると、強い回転を生み出せると思うよとボールを渡された。
握りとリリースを聞いてじゃあ投げてみてと言われてもそうスグに投げれない。何だかパームボールを投げている時みたいな感覚で、根気よく投げれる練習する必要があると感じた。
ちなみにこのボールに名前はあるのかと聞いたら、
特にないよと返ってきた。




