ビクビク
似たもの同士
虹恋ちゃんの名前がそういう由来だったなんてステキだなと感じていた。まだ来たばかりで、学校も福山市もまだまだ分からないだろうから色々と助けてあげたいなと感じていた。
リトルでは、対戦相手だったのもあって少しずつだが馴染もうとしているしそこまで時間としてはかからないだろうと杏菜はみていた。でも、学校やクラスに馴染むには時間がそれなりにかかるだろうと感じていた。
翌日、学校の教室について驚いた杏菜。今は何が起きているのか分からなかった。
虹恋ちゃんがクラスの男の子と仲良く喋っているなと思ったらこの日ツインテールをしていて突然クルクル回っていた。何を言っているのか聞いてみると、「くらえ、ツインテールクルクルアタック」そう叫んでいた。
虹恋ちゃんは白とピンクのワンピースを着ていて、何も構わず男の子と遊んでいる。仲良くするのはいいけど、これは素でやっているのか?それとも馴染もうと編み出した必殺技みたいな感じなのか気になる。
教室の入口付近で立っていた杏菜を見つけた虹恋ちゃん。杏菜ちゃん、おはようと挨拶をして、挨拶代わりの必殺技だ。「ツインテールクルクルアタック」。
いい意味で言えば、天真爛漫だが、天然な子なんだなと虹恋ちゃんに話をしていた。休み時間は誰かに構わず必殺技を繰り出すが、授業や野球には真摯でマジメにやっている。その上読心術も兼ね備えていると聞くともう虹恋ちゃんの素というのは杏菜には分からない。
給食を食べ終わって、どこに何があるのかを虹恋ちゃんに案内をしてあげた方がいいなと考えて声をかけて図書室や保健室、杏菜や宏斗君の所属する科学室等を回った。
残った時間、いつも図書室で本を読んでいる時間が多いと虹恋ちゃんに伝えると付いていくと行って図書室に向かった。今日は何を読もうかなと探していた。
児童文学書を手に取った杏菜。じゃあ、虹恋はその隣にある本を読んでみようかなと取って椅子で読んでいる。
15歳の学力でも楽しめるのが児童文学書。隣には、読心術を持つと豪語する虹恋ちゃんが座っている。考えを見破られてはいけない、駆け引きをするのは野球だけでいいのにと感じていた。
すると虹恋ちゃんが杏菜の袖を引っ張って急にツンツンしてきた。何かあったのかなと聞いてみる。
「杏菜ちゃん、ここに書いてある漢字と意味を教えてもらっていいかな?虹恋あまりお勉強得意じゃないから教えて欲しいな」
教える分には全然構わないが、杏菜としても色々見透かされてはこれから生きにくくなるからひとまず図書委員のお兄さんとお姉さんが6年生だから聞いてみたら?それでも分からなかったら、本を借りて先生に聞いてみてもいいかもよ。そう答えた。
次に何を言うのか分からないのが非常に怖い。
「杏菜ちゃん、虹恋の事嫌い?だから教えてくれないの?じゃないよね。ホントは分かるけど、まだ習っていない漢字や意味を答えたらこの後色々不都合だから敢えて図書委員の人に聞いてとか、本を借りて先生に聞いてみてって言ったんじゃない?違う?」
流石読心術。核心部分迄は読み取られなかったものの、表面部分はしっかり当ててくる。根負けした杏菜は虹恋ちゃんに漢字の読み方と意味を説明をしてあげた。
虹恋ちゃんはホント優しくてかわいくて、天真爛漫なフシギちゃんだが決して悪い子ではない。読心術を使える物同士、お互いにいい事に使っていこうねと話をした。




