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初めてのリード

ひとまずキャッチャーミットをど真ん中に構えた。この試合、宏斗ひろと君のピッチングにかかっていると言っても過言ではない。初球のストレートがボールになる。その後、ストライクが入らず先頭打者をフォアボールで出してしまう。


バッターが何を考えているのか分からないが、ひとまず分かったフリをして打者の様子を伺う。この場面、まず考えられるのは送りバント。と見せかけてエンドランを可能性もある。高めに要求してバントフライを狙おうと要求した。


だが、杏菜あんなの裏目に出たのかバッターはエンドランを仕掛けてノーヒットランナー1塁、3塁のピンチを招く。宏斗ひろと君を落ち着かせないといけないとたまらず審判にタイムを要求した。


そしてタイムがかかり、内野陣にマウンド近くに集まってと声と手で促した。

杏菜あんなのリードが悪くて打たれちゃってゴメンね。このランナー1塁、3塁の場面で上手くいくか分からないけどある作戦があるの。宏斗ひろと君に低めに投げてもらって、悪送球を見せかけてショートに投げるから3塁ランナーが飛び出したら3塁かホームに投げて欲しいの」


そう内野陣に声をかけてマウンドに集まっていた輪が解けてプレーが再会された。


宏斗ひろと君は杏菜あんなの要求通りに低めのストレートを投げてショートに送球をすると、3塁ランナーは誘い出される感じでホームに向かっていきアウトを取った。その後はダブルプレーで初回を何とかしのいだ。


初回の攻撃、先頭打者が出塁して相手チームみたく塁をかき回したいと考えていたものの3球で3者凡退に倒れてしまった。


その後は宏斗ひろと君のピッチングやバックの気迫ある守備のおかげもあって得点を与えず6回を迎えた。そして打者3巡目に入ろうとしていた。


杏菜あんなが声をかけた。

「そろそろ3巡目に入るけど、配球変えた方がいい?それともこのまま変えずにいく?初めてキャッチャーするから何巡目からバッターが狙ってくるのか、そこまで分からなくて……」


そっか、杏菜あんなちゃん初めてキャッチャーマスク被るんだったね。忘れてた。配球をどうするか?それは任せるよ女房。


何キザに言っているんだ。女房ってだけ言うとまるで結婚しているみたいじゃんか。今日の宏斗ひろと君はストレートも変化球のキレも悪くない。この回の先頭打者にインコース高めのストレートを要求するとデッドボールを与えてしまう。


続く打者もフォアボールで1回以来の得点圏にランナーを進められてしまう。この場面はバントしてくるかエンドランのどちらかだと張っていた。初球を外した2球目、ヒットエンドランをかけてきた。


アウトコース低めに投げたストレートがピッチャーライナーでランナーそれぞれ戻れず、トリプルプレーで難を逃れる。杏菜あんなが思わず怖かったと呟いてしまうほど。


最終回3番バッターがヒット塁に出て4番打者がフォアボールでノーヒットランナー1塁、2塁。5番打者の宏斗ひろと君が送りバントを決めて1アウトランナー2塁、3塁。ここで6番打者の杏菜あんなに回る。


よくチャンスやサヨナラの場面で回ってくるなと呟きつつも、いつもみたく、ピンクのリストバンドをスリスリして右打席に入る。サインを確認しているとまるで試合に勝ったみたく帰り支度をしている。


勝ちを急ぎすぎだと思いつつ犠牲フライで試合を決めた。流石さすがサヨナラの女神だと称えられて嬉しいが、他の子ももうちょっと自分で決めようという気持ちが欲しいなと感じていた。



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