ハイブリッドベースボール
まずはやってみよう
杏菜の家にはフリマサイトで買ってもらった両投げ用のピッチャーグラブが届いた。買ったはいいものの試合で使い物になるかどうかを判断ふるのは杏菜ではなく、水瀬監督になる。
ピッチャーとして使えると判断してもらえたらマウンドに上がってこのグローブを使うことが出来るが使い物にならないと烙印を押されたら他からの持ち腐れになる。せっかくパパに買ってもらったのに、リトルリーグで1度も使わずにまたフリマサイトに出品してはパパにもこのグローブにも申し訳ない気がしていた。
土曜日、この日は1日練習でお弁当を持参と書かれていて前もってママに伝えておいた。そうしないとママも杏菜も忘れるからだ。
そして土曜日を迎えた。ユニフォームを着て、お気に入りのピンクのリストバンド、スパイクと外野手用グラブと両投げ用のピッチャーグラブをチーム名が刺繍されているリュックサックにお弁当と水筒を入れて自転車で向かう。
そして杏菜が着くと他の男の子達は打席や塁上に石灰を引いていて、思わず今日って練習試合あったっけと尋ねた。
すると今日は午前と午後で別メニュー予定だったけど、午前中は紅白戦で午後からは紅白戦を踏まえた練習に切り替えるって監督が言ってたよ。そう話を聞いた杏菜。夏の大会も近いし、結果を出せばもしかしたら杏菜も試合に出られるかもしれない。そういった下心が湧き出てきた。
軽いウォーミングアップとキャッチボール、ノックを済ませて能力が均等に振り分けてメンバー表の交換を済ませて試合が行われた。杏菜は6番ライトでスタメン出場する。
2回裏、1アウトランナー2塁の場面で回ってきた。ネクストバッターズサークルで相手の球を見つつ、ピンクのリストバンドをスリスリ触る。読心術なのか分からないが、このピッチャーは左打者よりも右打者の方が苦手とする。そんな声が聞こえた。
とりあえず右打席に入った杏菜。理想は外野を越える打球を打てれば先制点となるが、まずはランナーを進める方が先決。ならばここは右に狙って打とうと振り抜いた。狙い通りセカンドゴロで2アウトランナー3塁にランナーを進めた。
この回点が入らなかったものの、ナイス進塁打とハイタッチをした。この回、結局点が入らなかったもののチームバッティングを心掛けようと決めた。
第2打席は2アウトランナーなしの場面で回ってきた。この打席は何を狙うべきか。守備は定位置よりも少し後ろにいる。そしてセーフーティーバントを狙ってみるもののアウトになってしまう。もうすこし足が速ければと悔やまれる。
第3打席、1アウトランナー3塁で回ってきた。この場面ば犠牲フライを打てればサヨナラ勝ちの場面でしっかり犠牲フライを打った杏菜。だがランナーの子がアウトになり延長戦に続く。
水瀬監督から、ピッチャー出来る人誰かいないかとスピーカーで言うと杏菜がテを上げる前に宏斗君が監督に向かう。驚きつつも、ピッチャー福山とコールをした。




