部活はどうするか
極める
練習試合とはいえど、初めて試合に出て嬉しいと感じた杏菜。それも試合を決めるサヨナラの場面でよく水瀬監督は素人同然の杏菜を使おうと思ったなと感じる。残っていたのが杏菜で、塁に出ればもうけもの位の気持ちでいたのかなと勝手に考察していた。
そうなると学校の部活は必然的に運動部ではなく、文化部に入る路線になりそうだな。前に入っていた科学部が決して嫌という気持ちはない。15歳の学力を持って実験したりするのはそれはそれで面白そうと学校では科学部、課外活動としてリトルリーグをしようと決めた。
毎年、テレビで理科の実験中に児童や生徒が怪我や煙を吸って気持ち悪くなるというニュースは多々聞くため、より怪我には気をつけなくてはという気持ちが高くなった。それは理科の実験や科学部の実験だけでなくて体育や日常生活においても同様である。
授業後に久しぶりに行く科学部。メンバーは当時と変わらずだが、間違ってもここで久しぶり。みんな元気にしてた?なんて言おうものならば誰かと勘違いしてる。大丈夫なのかと保健室に連れてかれない。
あくまでも初対面の振る舞いをしないと馴れ馴れしい人。この子とは仲良くなれないと言われかねないどころか浮いた存在でイジメの対象になって、部活に入っても居場所がない。そうなってはならない。
何か分からなければ顧問の先生に聞く。もし、他の子が困っていたら助けてあげるそれが大事だし、人との信頼関係ってそういうものだと考えていた。
しばらく実験をしている様子を眺めていると見覚えのある人がいた。同級生は覚えていても上の人までの記憶に関してはあまりない杏菜。
実験が終わって片付けをしていると、杏菜と目があった。それは同じ福山Phoenixリトルのエースを務める大竹宏斗君だった。
正直驚いた杏菜。申し訳ないけど、小学校の時にいた記憶がない。リトルリーグで会った縁もあるし、宏斗君に色々これから聞こうかなと考えた。
実験に夢中だったのか、杏菜がいるとは思わず目が見開いていた。どうしてここにいるのかという顔をする。
ランドセルを背負って帰ろうとしていた杏菜に声をかけた宏斗君が同じ方角なら一緒に帰ろうと声をかけてきた。
別に悪い気もしなかったため、いいよと学校の近くにある公園に向かった。15歳の杏菜がたまに出てしまいがちだから気を付けないと。
話を聞いてみると福山Phoenixリトルは少数精鋭でやっているため、1人が複数ポジションやっているよと言われてピッチャーで投げない時はファーストや外野を守っていると聞いた。
思わず杏菜ならどこのポジションを兼任出来るのか聞いた。今は左利きのグローブしか持っていないけど、右でも投げれる事は伝えた。
昨日のあのバッティング出来てまさかの両投げ?鬼に金棒だと言い出し、明日からピッチングの練習をしようと突然話を持ちかけられた。
詳しく話を聞くと宏斗君の他にも倉敷将希君という5年生の2人で試合を回しているらしく、1人でも投げれる人が増えればと前から考えていたみたい。
そうは言われたものの、初心者にピッチャーが務まるのかと不安な気持ちでしかない。




