不安
どこまで出来るのか
家に帰る杏菜。ママから水瀬監督から電話があったよ。よくしてもらっているから大変だけど、頑張らないといけないよと伝えられた。
グローブと共に寝て、明日から福山Phoenixリトルの1人として頑張ろうとドキドキしていた。どんなメンバーがいるのか?杏菜はこのチームで馴染めるのか?色々な気持ちが入り交じっていた。
翌日、ユニフォームを着てグローブとスパイク、そしてピンクのリストバンドをして、河川敷に向かう杏菜。水瀬監督が全員を集めて今日から入団する福山杏菜さんと紹介された。
改めて自己紹介をする杏菜。
「ご紹介に預かりました福山杏菜と申します。野球は初心者で右も左も分からず皆さんにご迷惑をかけるかと思いますが、福山Phoenixリトルのメンバーになれて光栄です。野球用語やルールについては下調べはしましたが、違ったり分からなかったりしたらその都度教えてもらえると嬉しいです」
周りの男の子からは杏菜ちゃんよろしく。バッティングセンターでのバッティングは惚れ惚れしたよ。どうやってやったのか逆に教えて。とりあえず優しそうな子たちばかりでよかったと安堵する。
練習が始まり、ウォーミングアップでランニングやストレッチを行なってキャプテンから次はキャッチボールと告げられた。始めて硬式ボールを持って、まず感じたのは重たい。
キャプテンが杏菜を手招きをしてキャッチボールをする。ゆっくり丁寧に投げてくれたから取れたが、周りの男の子は速いボールを投げあっていて驚く。女の子投げの矯正をしていたが、どうしても女の子投げになってしまうはキャプテンのいる場所までボールが届かない。
少しずつ慣れていけば大丈夫と声をかけてくれて、次はフリーバッティングに移った。
キャプテンを含めて男の子達はカンカンと鋭い打球を飛ばしていて、練習初日にて同じで土俵で戦っても勝てないと痛感した。そして杏菜の番が回ってきて周りの目を見ると、バッティングセンターでのあの打球をまた見せて。そう言わんばかりの表情が見える。
打席に立ってスイングをする杏菜。打球はカンカンと鋭い打球ではなく、スコッスコッと空振りをして中々当たらない。やっぱりバッティングセンターで打てたのはビギナーズラックだったのかと落ち込んでいた。
キャプテンが杏菜にバットの上の方を持ってもう1回振ってみてとアドバイスをしてくれた。決して鋭い打球とは言い難いが打球が前に飛んだ。
次にノックで、左投げのグローブをしている杏菜は外野に行くように言われ、ノックを受ける。男の子はフライでは、落下点に入ってキャッチ出来ているが、杏菜はというと全然捕れない。
練習が終わって散々だったと落ち込む杏菜。これからが思いやられる気持ちでいた。




