231話 アーティファクトの紛失
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八百年以上前から伝わる遺言だった。
全世界に散らばるドワーフ族の総頭領だったドューイ。
彼が、自身作のアーティファクトを各地の同族に持たせ、時が来たら…リーンと名乗る少女に渡して欲しいと、伝承していた。
後世のドワーフ達は、その伝承を守り、今でも彼のアーティファクトを秘蔵しているのだ。
この地のドワーフも…確かにアーティファクトを秘蔵していた…
「…しかし、大変申し上げ難く…心苦しいのですが…」
…と、ドワーフ夫はリーンへ向け、頭を下げ
畏む。
「…どうした?」
リーンは首を傾げる。
「…ドューイ様からお預かりしたアーティファクトは…先代の頃には…紛失してしまいました」
和やかな食事の最中、ドワーフ夫はひれ伏す。
「申し訳…ございません!」
ドワーフ夫は、絞り出すように深く謝罪の言葉を口にする。
「いや、気にするな…我々は、一晩の食事をもてなしてくれただけで、充分なのだ」
リーンは、ドワーフ夫の肩に手を置き、
上体を起こさせる。
「…っ、しかし…」
まだ気に病むドワーフ夫に、イルも声を掛ける。
「アイツのアイテムは、もう沢山入手してるし…
そのうち、アイツも復活させるつもりだから、
大丈夫だよ〜」
「変態が復活すると、それはそれで厄介じゃがのぅ?」
フィアロアも、何でも無い事のように…
水で薄めた果実酒を飲んでいる。
「けれど…紛失とは、野盗にでも盗まれたのですか?」
オセは首を傾げる。
ダルムの町で、魔族が狙っていた件もある。
「盗まれた…そう、ですね…
それに近いかも…しれませんが…」
ドワーフ夫は、アーティファクト紛失の経緯を伝える義務があると…
話を整理しながら、ポツリ、ポツリと言葉を紡ぐ。
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