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231/232

231話 アーティファクトの紛失

◇◇◇◇◇



八百年以上前から伝わる遺言だった。



全世界に散らばるドワーフ族の総頭領だったドューイ。


彼が、自身作のアーティファクトを各地の同族に持たせ、時が来たら…リーンと名乗る少女に渡して欲しいと、伝承していた。


後世のドワーフ達は、その伝承を守り、今でも彼のアーティファクトを秘蔵しているのだ。


この地のドワーフも…確かにアーティファクトを秘蔵していた…



「…しかし、大変申し上げ難く…心苦しいのですが…」



…と、ドワーフ夫はリーンへ向け、頭を下げ

畏む。



「…どうした?」



リーンは首を傾げる。



「…ドューイ様からお預かりしたアーティファクトは…先代の頃には…紛失してしまいました」



和やかな食事の最中、ドワーフ夫はひれ伏す。



「申し訳…ございません!」



ドワーフ夫は、絞り出すように深く謝罪の言葉を口にする。



「いや、気にするな…我々は、一晩の食事をもてなしてくれただけで、充分なのだ」



リーンは、ドワーフ夫の肩に手を置き、

上体を起こさせる。



「…っ、しかし…」



まだ気に病むドワーフ夫に、イルも声を掛ける。



「アイツのアイテムは、もう沢山入手してるし…

そのうち、アイツも復活させるつもりだから、

大丈夫だよ〜」


「変態が復活すると、それはそれで厄介じゃがのぅ?」



フィアロアも、何でも無い事のように…

水で薄めた果実酒を飲んでいる。



「けれど…紛失とは、野盗にでも盗まれたのですか?」



オセは首を傾げる。


ダルムの町で、魔族が狙っていた件もある。



「盗まれた…そう、ですね…

それに近いかも…しれませんが…」



ドワーフ夫は、アーティファクト紛失の経緯を伝える義務があると…


話を整理しながら、ポツリ、ポツリと言葉を紡ぐ。



◇◇◇◇◇

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