232話 地下に棲みつく魔物
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「地下に潜む、魔物…?」
リーンはドワーフ夫の話に耳を傾ける。
ポツリ、ポツリと話すその内容は…
地上よりも、遥かに安全な地下だったが、
数十年前から、一匹の魔物が地下に住み着くようになったのだとか。
「普段は、寝てるだけなんです…
近付かなければ、被害には遭わないのですが…」
そこで、ドワーフ夫はため息を吐き、本題へ入る。
「…奴が寝床にした場所が問題でして、
運悪く…アーティファクトを保管した宝物庫の前に陣取りやがったのです」
「なるほどなぁ」
リーンは頷く。
以後、数十年間…実質、宝物庫には近付け無く
今に至る…という事だと言う。
更にドワーフ夫は、寂しそうに顔を曇らせる。
「我々も、初めは排除を試みたのです。
大事な伝承の品を取り戻すのだと…
ですが…」
ドワーフ夫は、拳をキツく握り悔しさを滲ませる。
「戦いを挑んだ仲間達は…帰って来ませんでした」
「…!」
リーンは、悟る。
かつては、賑やかな集落だった、この地のドワーフ達が…今は、たった二人だけになった理由を。
「…ウチの息子も…石にされてしまったんですよ」
横から、ポツリと呟く声が聞こえた。
「い、石…に?」
イルも目を見開く。
「その魔物の攻撃は…人を石化させる、作用があったのです」
ドワーフ夫が補足する。
「勇敢なのか、バカなのか…止めるのも聞かず、
戦いに行ってしまって…」
奥方は、涙を堪えるように震える声で語った。
「あ、あらあら!…すみません!
折角のお食事中に…どうぞ気にせず、たんと召し上がってくださいませ!」
奥方は、気持ちを切り替えるように、
殊更明るい声を出す…その目尻には、涙がまだ乾いていない。
リーン達は、目で互いに合図を交わす。
「沢山、馳走になった!感謝する…
一晩、寝床を借りても良いだろうか?
仲間を休ませたい…」
「勿論です!ゆっくりしていってください!」
リーンの申し出に、是非にとドワーフ夫は、
歓迎する。
「それと…明朝、件の魔物を退治しに行く、
道案内を頼めるだろうか?」
リーンの言葉に、ドワーフ夫は目を見開く。
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