226話 お馴染み様ですから
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「…女…か?
こちらも、敵で無いのなら…手荒な真似はしない」
少し、しゃがれた男の低い声が洞窟に響く。
そして、足音は更に近づき…やがてトーチの光に照らされる。
「…あ!」
イルが、呑気な声を出す。
「…なるほど…」
続けて、リーンも納得する。
低身長だが、がっしりとした体格、長く豊かな髭…
砂漠の地下で遭遇した、人物を見たリーン一行は、懐かしささえ、感じた。
「…ドワーフ族か」
トーチの光に映し出された、男は…
リーン達の旅でもお馴染みとなっていた、
ドワーフ族の男だった。
「む?…初対面の…筈だが?」
ドワーフは、リーン達を見て怪訝な表情を浮かべる。
だが、リーン達に敵意が無い事を知ると、
武器を仕舞い、対話の姿勢に入る。
「お前達は…何者だ?旅人だと言うが…
この地帯は、常人が生きていられる場所では無い筈だが?」
ドワーフは天井に目を向ける。
地上の、砂漠地帯の事を言ってるのだろう。
確かに、そこは凶悪過ぎる魔物が活歩し、
手練れの冒険者とて半日も生きていられないだろう。
しかも、どんな経緯でこの地下まで辿り着いたのか…?
「うむ、順を追って話すとするか」
ドワーフの疑問に、リーンは真実を伝える。
以前の砂漠手前の村では、混乱を避ける為に、リーン達の本当の素性は言えなかったが…
ドワーフ族は、勇者達の事を、今日まで正確に伝承してきたのだ。
また、ドューイの遺産の件もあり…
リーンも旅の先々でドワーフに協力を得てきた経緯もある。
「…!!!…」
リーンが、順を追って砂漠での経緯を話し…
そして、自身の名を告げたところ、
ドワーフは衝撃で暫し固まる。
「…ええ…と?」
固まってるドワーフにイルは困惑する。
「おっさん?聞いてる〜?」
イルの誰何で、やっと正気を戻したドワーフは、ハッとするや否や…
地へ額を擦り、平伏す。
「ゆ、ゆ、勇者様でしたか!!」
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