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226/234

226話 お馴染み様ですから

◇◇◇◇◇



「…女…か?

こちらも、敵で無いのなら…手荒な真似はしない」



少し、しゃがれた男の低い声が洞窟に響く。


そして、足音は更に近づき…やがてトーチの光に照らされる。



「…あ!」



イルが、呑気な声を出す。



「…なるほど…」



続けて、リーンも納得する。


低身長だが、がっしりとした体格、長く豊かな髭…


砂漠の地下で遭遇した、人物を見たリーン一行は、懐かしささえ、感じた。



「…ドワーフ族か」



トーチの光に映し出された、男は…


リーン達の旅でもお馴染みとなっていた、

ドワーフ族の男だった。



「む?…初対面の…筈だが?」



ドワーフは、リーン達を見て怪訝な表情を浮かべる。


だが、リーン達に敵意が無い事を知ると、

武器を仕舞い、対話の姿勢に入る。



「お前達は…何者だ?旅人だと言うが…

この地帯は、常人が生きていられる場所では無い筈だが?」



ドワーフは天井に目を向ける。


地上の、砂漠地帯の事を言ってるのだろう。


確かに、そこは凶悪過ぎる魔物が活歩し、

手練れの冒険者とて半日も生きていられないだろう。


しかも、どんな経緯でこの地下まで辿り着いたのか…?



「うむ、順を追って話すとするか」



ドワーフの疑問に、リーンは真実を伝える。


以前の砂漠手前の村では、混乱を避ける為に、リーン達の本当の素性は言えなかったが…


ドワーフ族は、勇者達の事を、今日まで正確に伝承してきたのだ。


また、ドューイの遺産の件もあり…


リーンも旅の先々でドワーフに協力を得てきた経緯もある。



「…!!!…」



リーンが、順を追って砂漠での経緯を話し…


そして、自身の名を告げたところ、

ドワーフは衝撃で暫し固まる。



「…ええ…と?」



固まってるドワーフにイルは困惑する。



「おっさん?聞いてる〜?」



イルの誰何で、やっと正気を戻したドワーフは、ハッとするや否や…

地へ額を擦り、平伏す。



「ゆ、ゆ、勇者様でしたか!!」



◇◇◇◇◇


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