221話 「ゾ…??」それが彼の最期の言葉だった
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イルは、高らかとドューイ製のペンダントを掲げ、一日に一度だけ魂が記憶する、
自己史上最強の能力を解放する。
刹那、イルの周囲に闘気が渦巻く。
「この…クソ擬態魔物がぁぁ!!
フィアロアを…は、な、せー!!!」
イルは高く跳躍すると、
砂漠に差し込む太陽の光よりも眩しい、
一振りの剣撃による光を放ち、
魔物を真上から刺し貫くように、
光のエネルギーを放散する。
「ゾ…??」
魔物は、声すら上げられなかった。
眩し過ぎる光に照らされた、その体は、
そのまま自身を脆く崩れさせていったのだ。
「フィアロア!!」
落下しながら、イルはフィアロアを掴み、
担ぎ上げる。
「イル様!フィアロア様!」
オセは、魔獣となり、イルの元へ向かう。
一撃を放ったイルは、既に元の小デブ姿に戻っていて、二人を背中に乗せたオセは、
剣撃で巻き起こった、爆風を避けながら退避する。
「相変わらず…とんでも無いバカ力ですね…」
オーフェンは、力無くだが苦笑いして
彼らを眺めた。
「まったくだな」
リーンもつられて笑い、オーフェンを背負い、
イル達の元へ駆け付ける。
「さすが、イル様ですね!
あんな巨大な魔物が…木っ端微塵です」
オセが言う、そのままの形で山にも等しい巨大な魔物は、光の攻撃により千々に裂かれていた。
「…むぅ…儂とて、攻撃したかったのじゃ!」
見せ場をイルに取られ、フィアロアは助けて貰いながらも、少し口を尖らす。
「フィアロアは、オセに助けて貰わないと
魔法使えないもんね〜?」
イルは、そんなフィアロアに意地悪を吐く。
「う、うるさいのじゃ!貴様とて一日一度しか、
能力出せ無いじゃろ!」
「す、すみません…フィアロア様…
私がもっと早く対処できていれば…」
イルとフィアロアの話しで、責任を感じた
オセは涙目で獣耳をぺたんと下げる。
「あ、あ〜!違うよ?オセちゃん気にしないでね!そう言う意味じゃないから」
イルは、オロオロとオセを宥める。
「イル!オセを泣かせるんじゃない」
「〜!!フィアロア〜!」
魔物の脅威が去り、イルとフィアロアの恒例の漫才が始まる。
「まったく…喧しいな?キサマらは…
また杖で殴られたいか?」
リーンは、イル達に杖をチラつかせる。
ランシェ産の杖だと思うと…二人はゲッソリとし、激しく首を横に振り辞退の意を表明する。
「それにしても…あんな巨大な魔物が、砂の中に入り、オアシスに擬態していたんですね」
オセは、イルの一撃で空いた砂漠の、
穴の中の…魔物だった残骸を見遣る。
「旅人が…オアシスだと近づくのを呑気に待ち受けているとはなぁ」
リーンも眉を顰めるが…まんまと魔物の罠にかかった自分らだし、偉そうな事は言えないのだった。
「…っ!…!」
そんな時…リーンに背負われていた、オーフェンが、何かを言っているようだった。
「どうした?オーフェン?
休憩なら少し待て、安全そうな場所を
今、探すから」
リーンは、そう諭すが…
尚、オーフェンは何かを訴える。
「…し…た…し、た…で…す…」
エネルギー切れで朦朧としながらも、オーフェンは、何かを言っている。
「…した?舌…??」
イルは首を傾ける。
「いや…下…かのぅ?」
フィアロアが言葉を発した時だった。
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