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220話 魔物、イルの逆鱗に触れる

◇◇◇◇◇



「っ!この魔物め!オーフェンを離せ!」



リーンは、聳える山と感じる程に巨大な魔物を前に、怯まず立ち向かう。



「リーン様!」



オセの心配そうな声を他所に、リーンは魔物の触手にも似た細長い手を避けながら、


懐に入り、オーフェンを掴んでいた手へ向け、

杖の一撃を叩き込む。



「ゾォオオォォォンッッ」



魔物の細長い手への強烈な打撃は、魔物に痛みを覚えさせ、痺れた魔物の手中は緩み、

掴んでいたオーフェンを手離した。



「オーフェン!!」



空中へ投げ出されるような形で、放り出されたオーフェンを振り仰ぎ、リーンは叫ぶ。



「オーライ、オーライ〜!」



その体をイルは、タイミング良くキャッチする。



「…ふぅ、イル…ありがとう、助かった!」



未だ、ぐったりしているオーフェンを、

抱き止めたイルに、リーンは感謝を伝え、

一旦、息を整えたリーンだったが…



「ゾォオオォンッ!!」



魔物は、怒りの雄叫びのように声を上げたかと思えば、もう片方の細長い手で…

今度は、フィアロアを掴み取った。



「むっ?」



フィアロアの体は、見た目通り老齢の体力そのままだ。


鞭のように、素早く奇怪な動きをする魔物の触手にも似た手、を躱わす速さも無く…

あっさりと捕まってしまう。



「フィ、フィアロア様ー!!」



オセは寸手で、フィアロアの手を掴めず、

砂漠へ倒れ伏す。



「っ、おのれ!フィアロア様を離せー!!」



魔獣へ変身し、魔物の手へ襲いかかるが…



「うぐっ…⁈ 」



オセよりも素早い動きの魔物の細長い手は、

唸りを上げ、オセを叩き落とす。



「オセ⁈ 無茶はするな!」



リーンは、オーフェンを敵の攻撃範囲外へ

横たえると、オセの加勢へと足を向けたのだが…



「…こ…のっ…」



傍らで、小さく声がするのに気付いた。



「…この…魔物……無勢が…」



それは、イルが肩を震わせ、俯きながら呟く声だった。


そして、次の瞬間…イルの声は爆発する。



「この魔物無勢があぁぁ!汚い手でフィアロアに触るなあぁぁ!!」



◇◇◇◇◇


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