220話 魔物、イルの逆鱗に触れる
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「っ!この魔物め!オーフェンを離せ!」
リーンは、聳える山と感じる程に巨大な魔物を前に、怯まず立ち向かう。
「リーン様!」
オセの心配そうな声を他所に、リーンは魔物の触手にも似た細長い手を避けながら、
懐に入り、オーフェンを掴んでいた手へ向け、
杖の一撃を叩き込む。
「ゾォオオォォォンッッ」
魔物の細長い手への強烈な打撃は、魔物に痛みを覚えさせ、痺れた魔物の手中は緩み、
掴んでいたオーフェンを手離した。
「オーフェン!!」
空中へ投げ出されるような形で、放り出されたオーフェンを振り仰ぎ、リーンは叫ぶ。
「オーライ、オーライ〜!」
その体をイルは、タイミング良くキャッチする。
「…ふぅ、イル…ありがとう、助かった!」
未だ、ぐったりしているオーフェンを、
抱き止めたイルに、リーンは感謝を伝え、
一旦、息を整えたリーンだったが…
「ゾォオオォンッ!!」
魔物は、怒りの雄叫びのように声を上げたかと思えば、もう片方の細長い手で…
今度は、フィアロアを掴み取った。
「むっ?」
フィアロアの体は、見た目通り老齢の体力そのままだ。
鞭のように、素早く奇怪な動きをする魔物の触手にも似た手、を躱わす速さも無く…
あっさりと捕まってしまう。
「フィ、フィアロア様ー!!」
オセは寸手で、フィアロアの手を掴めず、
砂漠へ倒れ伏す。
「っ、おのれ!フィアロア様を離せー!!」
魔獣へ変身し、魔物の手へ襲いかかるが…
「うぐっ…⁈ 」
オセよりも素早い動きの魔物の細長い手は、
唸りを上げ、オセを叩き落とす。
「オセ⁈ 無茶はするな!」
リーンは、オーフェンを敵の攻撃範囲外へ
横たえると、オセの加勢へと足を向けたのだが…
「…こ…のっ…」
傍らで、小さく声がするのに気付いた。
「…この…魔物……無勢が…」
それは、イルが肩を震わせ、俯きながら呟く声だった。
そして、次の瞬間…イルの声は爆発する。
「この魔物無勢があぁぁ!汚い手でフィアロアに触るなあぁぁ!!」
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