213話 非常食は優雅な暮らし?
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シルフが通された部屋は…
牢屋でも、食糧庫でも無かった。
…神殿の中の一室、一際広く立派な部屋だった。
『ええ…⁈ ワタシに、こんな豪華な部屋を与えてくれるの?』
シルフは驚いて目を輝かせるが…
「バカね、違うわよ!」
レイは呆れ気味にため息を溢す。
『で、ですよ…ねぇ』
たかが、生捕りにされた非常食なのだから、
そんな待遇を受ける訳がない…
さすがのシルフも厚かましいと、苦笑いするのだが…
「ここは、アンタと私が一緒に暮らす部屋よ、
神殿の他の部屋は、生活には不便な造りなの」
シルフは、ポカンとする。
こんな広くて、調度品も立派なものが揃っている部屋に…居させて貰えるのか…?
「何よ?不満なの?」
「う、ううん…!…でも、いいの?」
シルフは困惑そうな表情で、レイを見るが…
レイはさっさと旅ローブを脱ぎ捨て、
長椅子に腰を下ろしていた。
パチンッ
同時に、レイが指を鳴らすと、シルフの周囲を囲っていた結界が消える。
「この砂漠の集落はさぁ?
娯楽が何も無いのよ…ダークエルフ達は堅物で面白くもないしぃ?
…だから、アンタは丁度いい娯楽なのよ」
レイから、非常食兼、娯楽要員呼ばわりされ
シルフは脱力する。
『ええぇ…ワタシは芸人とかじゃ無いんだけどなぁ?あ、でも大道芸とか覚えようかな?』
…などと、シルフは本気で考え込む。
「あははは!アンタやっぱ面白いわよ!」
レイは、思い切り笑う。
『………… 』
魔族でも、こんな風に笑うのか…
シルフは不思議な気分になる。
神から疎まれる存在、人間達の敵…
一般的に魔族とは、そんなイメージだ。
『…あ、でも…オーフェン様は味方かぁ…』
シルフは口の中で呟く。
魔族の中にも、良い人はいるのだ。
『この人も…もしかしたら良い人なのかもしれない…』
強大で、禍々しい闇の気配を身に纏っているけれど…
シルフは、この不思議な人物に親しみを感じ始めていた。
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