211話 非常食(シルフ)拉致られる
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強い光に照らされ、眩しさのあまり、
シルフは意識を浮上させた。
『…ここは、どこ?』
相変わらず、結界の中に閉じ込められていた。
しかし、時刻は昼を迎え、辺りは明るい。
…周囲に目を向ければ、見渡す限り一面の砂漠が広がっていた。
『言ったでしょ?家に帰るって!
もうすぐ着くわよ』
魔族は、砂漠の中を滑るように高速で移動していた。
シルフは改めて魔族を見る。
既に恐怖は限界突破し、今は寧ろ思考する事を放棄し、無となっていた。
強い日差しの中…暑くはないのか?
と思うほど、全身に闇色を纏う長身の魔族…
服装で隠してはいるが、かなりな筋肉質で、鍛え上げた肉体美の身体なのが伺える。
『何で…女っぽい言葉使いしてるんだろ?』
シルフは小さくポツリと呟いてしまった。
「うるさいわね!
身体は男でも、心は女でありたいのよ!」
魔族に独り言を聞かれた上に、
そう言い返されて、シルフはギョッとする。
しかし、それ以上に変な魔族だと感じた。
『えっと…ワタシも、精霊だから性別は無いの…
でも、気持ちは女の子なんだよ、
えっと、だから…気持ちはちょっと分かるよ?』
恐ろしい魔族と対話…
というのも異様かもしれないが…
シルフは、性別の事で偏見とかは無いのだと…
それだけは言いたかった。
「ふぅん…アンタも苦労してそうね」
魔族の低い声は…何故か今のシルフには、
何となく優しい声に聞こえた。
『ねぇ…?アナタは名前なんて言うの?』
魔族は片眉を上げる。
「アンタねぇ…食物の分際でヒトに名前を問うなんて恐れ知らずねぇ?」
シルフはビクリと体を揺らす。
『え…?知らない人に会ったら先ず名前聞くのが礼儀じゃないの?あ、ワタシはシルフだよ?』
この妖精は状況が分かっているのか?
単に頭が鈍いのか…
魔族は、ため息を吐く。
「まぁ…いいわ!
特別よ?…私はレイって言うの」
『ふぅん、レイさんね!よろしくね!』
シルフはニッコリと笑う。
捕らわれている…という自覚が薄れてきてるのか…?
「まったく…呑気なものねぇ?」
魔族…レイは呆れ顔に、笑みを仄かに浮かべた。
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