206話 大食漢のオーフェンが遠慮する理由
◇◇◇◇◇
「ランシェの元まで辿り着いて…
そこから、村まで往復の帰路を考えると…
どうしても食糧が足りないのでは…と」
オーフェンは食事を控えている理由を話し、
深刻そうに俯く。
「た、確かに…オーフェンの食べぷりで考えれば…少し厳しい…か?」
リーンも、なるほど…と固まる。
食糧も無限に調達できる訳では無いから、
復路を考えれば、深刻にもなる…
とはいえ、オーフェンの今の肉体…
小悪魔の体力消耗は食で補わなくては、ならないらしく…
食事は正にオーフェンにとって死活問題なのだ。
「魔物の蛇とか、蜂の子でも食ってれば良いのじゃ」
そんな時、フィアロアが飄々と呟く。
フィアロアの言葉を聞き、リーンも激しく同意する。
「うむうむ!そうだな!熊肉と猪肉は美味いぞ!
蛇もいい!…あとは…」
リーンが前のめりに話しを続けようとするのを、イルは止める。
「いやいや!リーン様!
ここには普通な熊とかいませんから〜!
魔物が食えるか?って話しですから〜」
「む?…ううん…魔物は正直、美味くは無いぞ?エグ味が酷くてな…」
「魔物も食った事あるんですか〜!!」
ものの試しにな、と…リーンは何でも無い事のように話すが、周囲は青ざめる。
「だが、多少腹は壊すが…食えぬ事も無いぞ?」
…と、リーンは言うのだが。
「それ、リーン様のケースですよね?
…て、事は一般人なら…猛毒って事じゃ…」
イルは、大きくため息を吐く。
「どこかに、砂漠のオアシスとかあれば…
いいのになぁ〜」
「ま、まぁまぁ…もしかしたら、本当にオアシスがあるかもしれませんし」
堪らず、オセもフォローする。
「いざとなったら…ランシェ(世界樹)に果実でも産み出させれば良いのじゃ」
「ランシェ出産の…果物…ち、ちょっと…
食欲失せるなぁ…」
フィアロアの爆論で皆が氷つき、話しはここで終わる。
…無いものは無い。
無茶をしない程度に、食糧や水を温存しながら
先へ進むしか手だては無いだろう。
◇◇◇◇◇




