203話 魔物に次ぐ魔物
◇◇◇◇◇
「そっちに、一匹行ったぞー!!」
「うわぁ⁈ 」
イルは、フィアロアを背負いながらも、
剣を取り、魔物を何とか退ける。
「イル様!大丈夫ですか⁈ 」
「う、うん…って、オセ!後ろ!」
イルを気に掛けたオセは、
背後の敵に、一瞬遅れを取るが…
「っと!これしき!」
ギリギリで体を捻り、回避したまま爪で魔物を切り裂く。
「ふぅ…大蛇の次は、巨大蜂の群れですか…」
さすがに疲労の色を滲ませたオセは、額の汗を拭う。
「イル!オセ…大丈夫か?」
リーンも粗方敵を倒し、駆けつけた。
時刻は、陽が地平へ沈みかけるあたりである。
温度が急速に下がりだし、吹く風は心地良い冷たさを帯びていた。
そろそろ野宿の場所を…など考えていた矢先の
魔物との遭遇戦であった。
「牛一頭くらいの大きさがあるよね?この蜂…」
と、イルは青ざめながら、死んだ蜂をまじまじと見つめる。
「この蜂の針に刺されたら痛そうだったな」
などと、リーンも笑い飛ばしていたが…
「本当に、痛いですね…」
顔を三倍くらいに腫らせたオーフェンが呟いた。
「うわっ?…オーフェン?さ、刺されたのか?」
「だ、大丈夫…か?」
イルもリーンも、彼を心配はしつつも…
余りに滑稽化した顔に、笑いを押し殺すので
精一杯の様子だ。
「毒素は自分で、治癒呪術かけておいたので
問題ありません…後は腫れが引くのを待つだけで…そこ、笑わないで下さいね?」
「い、いや…?わ、笑ってなど…」
リーンが目を泳がせる。
そんな時に、オセが少し離れた場所から
叫ぶ声が聞こえた。
「皆さまー!逃げてくださいー!!」
オセの声を聞き、何の事だとイルが振り返る…
「ギャァァァ!!」
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