199話 砂漠の大蛇
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オセは目を眇めて前方を凝視する。
先には黒く蠢く蛇のような影があった。
その影はかなり距離が離れているにも拘らず、
既にかなりの大きさに見えた。
「あれは…ただの大蛇では…無いですよね…」
ただの蛇…たとえ大蛇だとしても、
あの遠距離での大きさとなると…普通では考えられないだろう。
「サンドウォーム…砂漠の魔物ですね…」
オーフェンが冷静に前方の存在の名を呟く。
「ああ〜、やっぱり魔物がいるんだな〜」
さして驚いた風も無く、イルは諦観する。
「方角的に…避けては通れぬな、倒すか?」
リーンも臨戦体制に入る。
「あ!はいはい!僕が倒す〜!」
砂漠の暑さで、ウンザリ顔だったイルだが、
パッと顔を輝かせ、楽しそうに挙手する。
だが、リーンは指先を顎に乗せ、暫し考える。
「いや、日没までまだ早い…イルが今日の分のアイテム回数を今、使うのは…早計かもしれぬ」
「ええ〜?」
イルからは不満の声が出るが…
村人があれ程恐れていた死の砂漠だ。
この先、更なる異常事態が起こり得る可能性もある…
まだ時刻は昼を過ぎた頃だ、イルの…
一日に一度しか使えぬが、圧倒的な火力を…今は温存するべきだろう。
「あの魔物は、単騎のようだ…
それなら我でも倒せる。
今は、戦力を温存したほうがいいだろう」
イルとて、さすがに己の立場は弁えている。
少し残念そうき眉を下げるものの、
大人しく肯首する。
「お祖母様の援護は私が致しますよ」
オーフェンはアイテムを構える。
使用こそしないものの、いざという時は躊躇わず使うつもりのようだ。
「私は周囲の警戒をします!」
オセも魔獣に変身し、サポートする。
皆の臨戦体制をキョロキョロと伺っていた
イルは、自分も剣を抜き身し、構える。
「えっ…と?じゃあ、僕はリーン様の足元の小蜥蜴でも倒そうかな?」
そう言って、リーンの傍らにいた、
人の手のひらサイズの小さな蜥蜴に目を向ける。
「イル、邪魔をするな」
「…すみません…」
今の姿では、全く戦力にならないイルは、
シュンと落ち込み縮こまる。
「キサマの出番は必ずあるから、温存しろ」
リーンはイルを見て苦笑いする。
…出来れば…イルの出番があるような強敵に遭遇しない方がいいのだが…と、思いながら。
そして、リーンは前方の大蛇を見据える。
「行くぞ!!」
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