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199話 砂漠の大蛇

◇◇◇◇◇



オセは目を眇めて前方を凝視する。



先には黒く蠢く蛇のような影があった。


その影はかなり距離が離れているにも拘らず、

既にかなりの大きさに見えた。



「あれは…ただの大蛇では…無いですよね…」



ただの蛇…たとえ大蛇だとしても、

あの遠距離での大きさとなると…普通では考えられないだろう。



「サンドウォーム…砂漠の魔物ですね…」



オーフェンが冷静に前方の存在の名を呟く。



「ああ〜、やっぱり魔物がいるんだな〜」



さして驚いた風も無く、イルは諦観する。



「方角的に…避けては通れぬな、倒すか?」



リーンも臨戦体制に入る。



「あ!はいはい!僕が倒す〜!」



砂漠の暑さで、ウンザリ顔だったイルだが、

パッと顔を輝かせ、楽しそうに挙手する。


だが、リーンは指先を顎に乗せ、暫し考える。



「いや、日没までまだ早い…イルが今日の分のアイテム回数を今、使うのは…早計かもしれぬ」


「ええ〜?」



イルからは不満の声が出るが…

村人があれ程恐れていた死の砂漠だ。


この先、更なる異常事態が起こり得る可能性もある…


まだ時刻は昼を過ぎた頃だ、イルの…

一日に一度しか使えぬが、圧倒的な火力を…今は温存するべきだろう。



「あの魔物は、単騎のようだ…

それなら我でも倒せる。

今は、戦力を温存したほうがいいだろう」



イルとて、さすがに己の立場は弁えている。

少し残念そうき眉を下げるものの、

大人しく肯首する。



「お祖母様の援護は私が致しますよ」



オーフェンはアイテムを構える。

使用こそしないものの、いざという時は躊躇わず使うつもりのようだ。



「私は周囲の警戒をします!」



オセも魔獣に変身し、サポートする。


皆の臨戦体制をキョロキョロと伺っていた

イルは、自分も剣を抜き身し、構える。



「えっ…と?じゃあ、僕はリーン様の足元の小蜥蜴でも倒そうかな?」



そう言って、リーンの傍らにいた、

人の手のひらサイズの小さな蜥蜴に目を向ける。



「イル、邪魔をするな」


「…すみません…」



今の姿では、全く戦力にならないイルは、

シュンと落ち込み縮こまる。



「キサマの出番は必ずあるから、温存しろ」



リーンはイルを見て苦笑いする。


…出来れば…イルの出番があるような強敵に遭遇しない方がいいのだが…と、思いながら。


そして、リーンは前方の大蛇を見据える。



「行くぞ!!」



◇◇◇◇◇

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