198話 砂ばかりの地へ
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出発の朝は雲一つない晴天だった。
東の地平が仄かに白く輝き出し、端から星がまた一つ消え始めた時刻…
「旅の安全をお祈りしております…」
未だ冷たく、乾いた風が吹き抜ける。
村代表の老人や、その家族、一部の村人達は、
リーン一行を見送る為、外へ出ていた。
「うむ、世話なった…また再会しよう!」
リーンは、村人が持たせてくれた、沢山の保存食を背負い、手を上げる。
村人達もまた、手を振り応える。
別れは誰しもの心に一迅の寂しさを齎す。
それでも一行は前を向き、先へ進む。
「本当…砂しか無い砂漠だなぁ〜」
イルは既にウンザリした顔になっている。
植物も、岩すら無い一面が砂の世界だった。
「太陽の位置を正確に読んで無いと…方向を見失ってしまうのぅ」
旅の分厚いローブを頭から被り、イルの背に揺られながら、フィアロアも渋い表情だ。
「方角は…陽が出てる間はなんとかなるのですが
日中の日差しが強くて、体力の消耗が懸念されますね…」
オセはローブ越しに、強い日差しを見遣る。
歩き始めて、数刻…早朝こそ涼しく、
順調に進んで行けたのだが…
陽が昇るにつれ、暑さが増していく。
「無理せず、小まめに小休憩を取るとしよう」
リーンは昼前ではあるが、水分を摂る為に
休憩を提案する。
杖を柱代わりに立て、ローブを被せる。
簡易的な日除けを作り、狭いながらその中で
休憩を取る。
「わ!まだ水が冷たいよ〜」
「イル、余りガブガブ飲むな、先は長いのじゃぞ?」
「はいはい、ほら、フィアロアも!
…冷たくて美味しいよ〜」
日陰に入れば、暑さも和らぎ、気持ちにも余裕ができる。
充分とまでは、いかないが体を休め、
再び歩き始める。
暑さは厳しいものの、それ以外は順調だった道のりも…
リーンの一言で事態が変わる。
「待て!…前方に…何かいるぞ!」
一行に緊張が走る。
「ん〜?何んだろ?アレ…」
オセも目を眇める。
「あ、あれは…!!」
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