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198話 砂ばかりの地へ

◇◇◇◇◇



出発の朝は雲一つない晴天だった。


東の地平が仄かに白く輝き出し、端から星がまた一つ消え始めた時刻…



「旅の安全をお祈りしております…」



未だ冷たく、乾いた風が吹き抜ける。


村代表の老人や、その家族、一部の村人達は、

リーン一行を見送る為、外へ出ていた。



「うむ、世話なった…また再会しよう!」



リーンは、村人が持たせてくれた、沢山の保存食を背負い、手を上げる。


村人達もまた、手を振り応える。


別れは誰しもの心に一迅の寂しさを齎す。

それでも一行は前を向き、先へ進む。



「本当…砂しか無い砂漠だなぁ〜」



イルは既にウンザリした顔になっている。

植物も、岩すら無い一面が砂の世界だった。



「太陽の位置を正確に読んで無いと…方向を見失ってしまうのぅ」



旅の分厚いローブを頭から被り、イルの背に揺られながら、フィアロアも渋い表情だ。



「方角は…陽が出てる間はなんとかなるのですが

日中の日差しが強くて、体力の消耗が懸念されますね…」



オセはローブ越しに、強い日差しを見遣る。


歩き始めて、数刻…早朝こそ涼しく、

順調に進んで行けたのだが…

陽が昇るにつれ、暑さが増していく。



「無理せず、小まめに小休憩を取るとしよう」



リーンは昼前ではあるが、水分を摂る為に

休憩を提案する。


杖を柱代わりに立て、ローブを被せる。

簡易的な日除けを作り、狭いながらその中で

休憩を取る。



「わ!まだ水が冷たいよ〜」


「イル、余りガブガブ飲むな、先は長いのじゃぞ?」


「はいはい、ほら、フィアロアも!

…冷たくて美味しいよ〜」



日陰に入れば、暑さも和らぎ、気持ちにも余裕ができる。


充分とまでは、いかないが体を休め、

再び歩き始める。


暑さは厳しいものの、それ以外は順調だった道のりも…


リーンの一言で事態が変わる。



「待て!…前方に…何かいるぞ!」



一行に緊張が走る。



「ん〜?何んだろ?アレ…」



オセも目を眇める。



「あ、あれは…!!」



◇◇◇◇◇

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