196話 だから小悪魔姿は嫌(オーフェン談)
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「おお…何と美しい聖者様だ…!」
小悪魔がドューイ作のアーティファクトを掲げると、光が満ち白銀髪の青年の姿に変身した。
神が存在するなら、このような容姿ではないか…と、誰もが見惚れる姿だが…
惜しむらくは、その頭上に生え、漆黒に禍々しく伸びる角の存在か。
ともあれ、その白銀髪の青年は、奇妙な木製の杖を振り、聖なる光を纏う。
その光は、村全体をドーム状に覆い、
やがて、すっと消えていく。
「…ふぅ、聖なる加護は完成しました。
これで向こう数十年程は、この村への魔物の侵入を阻めるでしょう」
白銀髪の青年は、そう言って天使の如き微笑みを見せる。
「ありがとう…ございます…」
村の女達は、ウットリとし、青年に見惚れていた。
所作の何もかもが優雅で美しい。
しかし、次の瞬間…青年の姿が消える。
「ギャァァァ⁉︎ 」
消えた青年に代わり、醜い小悪魔が目の前に立っているのだから、驚くのも無理は無いが…
「それ、毎度の事なんだから…そろそろ慣れてもいいのにね〜」
イルは村の女達を胡乱気に見遣り、肩を竦める。
村の家屋の修繕、怪我人の治療…
魔物への警戒…
数日経って、ようやく村は落ち着きを取り戻せたようだ。
最後に、オーフェンが村へ加護を授け、
当面の村の安全は、確保できただろう。
「本当に…何から何まで…
皆さまには感謝しかありません!」
村代表の老人は改めて深々とお辞儀する。
「いや、こちらとて、水や物資を分けて貰えたのだし、色々情報も集まった。
ここの村人には感謝している」
リーンは、老人の頭を上げさせ、握手を交わした。
「しかし…本当に東の砂漠へ足を踏み入れるのですか?」
村代表の老人は顔を曇らせて、リーンに問う。
「うむ、かつてエルフの里があった場所へ…
行かなければならない用があるのでな」
「幾度もお止めしましたが…決意は固いようですな…」
「なに、無事帰れたらまた、村へ寄らせて貰う」
「勿論ですとも!お帰りをお待ちしてます」
出発前に是非とも、宴を…と村代表の老人に頼まれ、リーン一行は甘んじて応じる。
「宴会かぁ〜!砂漠へ行けば暫くは、保存食だし、美味しいご飯沢山食べときたいな〜」
イルは卑しくも食べる気満々だ。
「イル…村とてゆとりがある訳でも無いのだし、
加減しろよ?」
リーンが眉を顰め、釘を打つ。
「白豚はこのまま村で飼育されて、保存食になったほうがいいかものぅ」
フィアロアにも腹を叩かれる。
「し、失礼だな!ちゃんと遠慮くらいするよ!
…てか、誰が保存食だ」
皆が軽口を交わしながら、旅前の宵は更けていく。
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