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126話 魅惑の処刑人【挿絵付き】

◇◇◇◇◇




ニヤリと口角を上げ、

妖艶な色香を纏わせた処刑人の女は、真っ直ぐにイルの方へ歩いていく。



挿絵(By みてみん)




「お、おおぉ〜⁈」


「イル!何を見とる!この腐れ外道がぁ!」



女の際どい衣装に釘付けになるイルを、

フィアロアは怒り、頬を思い切りつねる。



「痛ででででっ!」


「あらぁん?乱暴ねぇ?

坊や、こっちいらっしゃいよ…アタシのがずっと優しいわよ?」


「お、お姉さん…」


「ええ、こんな仲間達よりアタシといれば…

楽しと思うのよぉ?」



処刑人の女はイルに手が届きそうな距離まで来たが…

しかし、不意に鋭い風圧が女の体を抜ける。



「隙あり、だな!」



リーンの杖が激しく唸り、女の衣服を斬り裂く。



「…え?」



身体には、痛みやダメージが無い代わりに、

処刑人の女の衣服が見事に斬り裂かれ…

イルの目の前で素肌が現わになった。



「フィアロアはダメ!見るな!」



その瞬間、はだけた姿を凝視するよりも、

隣りの老人に目をやった少年に、

処刑人の女はちょっとプライドを傷付けられる。


悔しいそうに、やぶれま衣服を手繰り寄せ、

…そして後退る。



「くっ…卑怯な…」


「他人の仲間に色目を使う女が何を言う?

…ほれ?そんな姿では人が寄ってきてしまうぞ?」



リーンは杖を大振りに振いながら、

女を遠ざける。


この騒ぎに…

近くを通る人々が徐々に注目しだしてきた。

辺りを見渡し、不利だと感じとった処刑人の女は、捨て台詞を残し逃げ去る。



「アタシは絶対諦めないからね!」



女が立ち去り、見えなくなった頃合いに

オセは一息吐き、苦笑いする。



「流石リーン様です!容赦がない」


「…余り褒められてるようには思えないがな」



見ていただけのオセが力不足だった、と言う訳ではない。


オセだけでなく、フィアロアやイルも…

自分らは強過ぎて手出しが出来なかったのだ。


加減を失敗すれば…

あの人間に重症を与えていたかもしれない…

中々"普通の人間"相手は対処が難しいのだと

オセは思うのだった。



◇◇◇◇◇


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