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僕は殺されれば殺されるほど、強くなる  作者: 三毛猫乃観魂


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新5章 壊

 今回も短いです。


 柄九巣市に激震が走る。ネット上に泰道の決してお天道様の下には晒せない命令の音声データの数々、敏夫も関わっている裏帳簿やマネーロンダリングの証拠がネット上に公開されたのだ。健司が敏夫に行った拷問の音声までも。

 泰道側も消去を試みたものの、情報は市外にまで飛び出して数多くの人の手によりコピーされ拡散、更なる広がりを見せる。

 特定班が動き出し、門敷泰道の個人情報までもネット上にアップ、さらに泰道の周囲で不審な行方不明や死亡事故が何件もあることも突き止めてしまい、その全員が泰道にとって都合の悪い人物だったこともあり、風当たりは強くなる一方。

 面白半分や義憤にかられた者たちは追求と拡散の手を緩めない。

 ネズミ算式に拡散する情報に、泰道側に手の出しようが無かった……。



 銃身の短いリボルバーに健司は弾を詰め込む。

 物音はしなかった、それでも長年積み上げた刑事の勘が気付かせた。

 振り向きざまに発砲、しかし身屈めた郷介には弾丸は当たらず。

「くそっ」

 やはり来た、しくじった者を泰道は許さない。

 瞬時に腕を掴まれ捩じられ、リボルバーを落としてしまう。

 そのまま突き飛ばされ、壁に激突。

 無言でリボルバーを拾い、郷介は健司の前へ。

 睨みつけても反応は無し。

 郷介を前にしては逃げ切れるはずがない、最初の一発を外した時に結果は確定した。

 健司のこめかみにリボルバーの銃身を突きつける郷介。躊躇など微塵も見せず、引き金を引く。



 翌日、健司が拳銃自殺したとの報道がなされた。

 遺書には『全ては私が個人的にやりました。命を持って償います 穴井健司』と書いてあったがパソコンで書いたもので、完全に泰道の火消しには及ばず。

 後日には健司は口封じされたのではとの噂が流れ、その噂も尾に鰭が付いて拡散していった。この手の話が好きな人が多くいたことで、拡散のスピードはかなりのもの。

 ちなみに最初に噂を流したのは澪。



『何としてもこの騒動を鎮めろ! 場合によっては全ての罪をお前が被れ、いいなこれは命令だ!』

 かなり頭に来ているようで、泰道の声はかなり荒い。

「解りました」

 それだけ言ってスマホの通話を切った。誰が仕掛けたのかは目星は付いている、ことの始まりは“彼”が柄九巣市にやってきたからだ。

 物陰で話を聞いていた佐和子、ついにこの日がやってきた。

 私室へ行き、机の引き出しを開く。この引き出しは二重底になっていて、そこには泰道と岳人がこれまで行ってきた悪事の証拠が入っている、15年にも渡って集めた証拠の品が。

「これで(かたき)が討てる」

 このために岳人と結婚までしたのだ、そう翔への思いを押さえ、敵討ちのためだけに。

 ハッと気配がして振り返れば、そこに岳人が立っていた……。







 区切りの良いところで追ったら、短めになりました。


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