シアナ
「シアナたちに教えてもらったの。彼らはなんでも知ってるわ」
見る間に天馬の傷も、メデューサの傷も癒えてしまった。
天馬が去った後、二人は静かな洞窟に戻った。
「俺を癒したのも君の血なんだね」
メデューサは微笑んだ。
しかし、次の瞬間、メデューサから笑顔が消えた。
ペルゼウスが彼女を抱きしめたからだ。
「だから君の顔色が悪いんだよ。君はそうやって動物たちの傷も癒してきただろ?」
「あの」
「なに?」
「顔が近いわ」
「それが何?」
「だって……」
その先が言えなかった。なぜなら唇をふさがれたからだ。
「……!!……」
驚いたのはメデューサだけではなかった。
「メデューサ、君……」
「?」
慌てて、ペルゼウスはそばにあった手鏡を彼女に見せた。
「うそ」
青銅色だった肌は、血色のいい肌色へと変わっていた。
「魔法が解けたのかしら」
ペルゼウスは思わず笑った。
呪いとは言わずに、魔法と呼ぶところが可愛いなと思った。
しかし、まだ頭部にはシアナたちが居座っていた。
「だめよ。それだけはだめ」
メデューサはシアナと会話をしていた。
「シアナはなんて?」
「なんでもないの」
「教えてよ」
「だめよ」
ペルゼウスは賭けにでた。
きっとシアナたちは呪い、もとい、魔法を完全に解く方法を知っているのだ。
そう思ったペルゼウスは、自分の黄金剣を抜いた。
「ペルゼウス? 何をするの!」
彼はその剣の切っ先を自分の喉に当てた。




