メデューサの秘密
「これ、あなたの剣」
メデューサは黄金に輝く剣をペルゼウスに渡した。
「汚れていたから綺麗にしたの。そしたらとても美しくてびっくりしたわ」
「ありがとう」
そのとき、メデューサのシアナたちがシュウシュウ騒ぎ出した。
「どうしたの?」
しかし、メデューサは困ったような感じで答えなかった。
「なんでもないの。気にしないで。それより少し、外に出ましょう」
今日は満月ではなかったが、なぜか天馬が一頭、草原に舞い降りていた。
「どうしたのかしら?」
見ていると、天馬の様子がおかしかった。
慌てて、メデューサが駆け寄ると、彼女は叫んだ。
「怪我をしてるわ!」
ペガサスの左前足に擦り傷があった。
「誰かが捕獲しようとしたのかも。出血してるし、足を痛めてるわ」
メデューサはペルゼウスに洞窟に戻るよう指示した。
「どうして?」
「これからすることを見ないで欲しいの」
彼は彼女が自分を助けたように天馬を助けるのだな、と思った。
「わかった」
「私が洞窟に戻るまでそこにいて」
そうして彼は洞窟にいったん戻った。
しかし、どうしても好奇心が抑えきれず、とうとうメデューサの言葉を無視して再び草原まで出た。
「……!!……」
彼にはメデューサのしていることがはじめ理解できなかった。
短刀を持って、天馬を殺そうとしている? まさか……。そんな風に思えた。
「メデューサ!」
思わず近寄ったペルゼウスに、メデューサは驚きのような悲しみのような複雑な表情を見せた。
天馬の左前足にひたたり落ちる血……。
「どうして……」
それはメデューサの血だった。
彼女は持っていた短刀で自分の腕を傷つけ、そこから流れ出る血を天馬の負傷した足に注いでいた。
「大丈夫よ。私の血には傷を癒す力があるの。私自身の傷もね」




