創始者Li
“変な顔しとるのう? 気持ち悪くて敵わんわい”
「――!?」
その声はあの面接のときに聞こえた声と同じものだった。
俺の他には誰もいないアパートの一室。
俺の背中に寒気が走った。
誰もいないのに……声が聞こえる……やばい、幽霊?
“幽霊じゃないわい。お前の手助けをしようと思うとるんだ”
怖い……
それが支配した俺の心にはそんな言葉など、疾うに聞こえてはいなかった。
「うわぁあ……ああああぁああぁぁぁぁああああ!」
俺は叫びながら、一室から出て、玄関を閉めて、鍵を閉めた。
やばい……いる……幽霊いる!? どうすりゃいい? どうすりゃいいんだ? そうだ! まず、誰かに言わねえと!
震える手で携帯電話を取り出して、電話帳にあった誰かの名前を選択した。
耳に当てると、規則的な機械音が聞こえ、俺の恐怖を掻き立てる。
俺は急いで自分のアパートから離れながら、電話の相手が出るのを待った。
そして、
『もしもし?』
出た。
「お、俺の部屋にさあ! 幽霊いんだけど!」
『はぁ? お前、何言ってんだよ。遊んでる暇があったら、面接の練習しろって』
「いや、本当なんだって!」
“わしは幽霊じゃないぞ?”
「うわぁ! ほら! ほら! 聞こえただろ!? 声が!?」
『はぁ? 聞こえねえよ』
“当たり前だわい。お前にしかわしの声は聞こえとらん”




