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軽口ひとつで、人は死ぬ  作者: みやび68


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2話

「⋯見つけた⋯」


小さく呟き、足を止める。

他に人の気配はない。

ゆっくりと近付く。


「っ⋯!?お前⋯!?」


ふいに振り返った男が、慌てて逃げ出す。

それをゆっくりと追い掛ける。

追い詰められた男が壁に背中を預け⋯


「お前、何で⋯こんな⋯」

「お前が⋯⋯⋯殺したんだろ⋯」

「俺が誰を殺したって!?お前が俺を殺そうとしてんだろ!?」


男の焦ったような怒鳴り声が、静かな路地裏に響く。

思わず、笑みがこぼれる。


「何笑ってんだよ!?」


男は怒鳴り続けている。

その声を掻き消すように、持っていた鎌を振り上げる。

一瞬で静まり返った路地裏を、ゆっくりとした足取りで立ち去る。


「今日も、狂いはない⋯」




「なぁ、今朝のニュース見たか!?」

「何のニュース?」

「この辺りで起きてる連続殺人だって⋯!」

「⋯見てないけど⋯」

「昨夜、4件目が起きたんだけどさ⋯どうやら、俺らと同世代らしいぞ?」

「⋯そうなんだ⋯」

「まぁ、偶然の可能性もあるだろうけど⋯お前、誰かに恨まれるような事してないか?」

「⋯どうだろう⋯?」


僕の返事を聞いて、同僚が笑い出した。


「そこは、大丈夫って言い切れよ!お前みたいに人当たり良い奴が、恨まれるわけないだろ?」

「⋯そういうお前は?恨まれるような事してない?」

「俺は大丈夫!」

「⋯凄い自信だね⋯」

「まぁ、俺も人当たり良い方だし?」

「⋯まさか、お前じゃないよね?」

「⋯何言ってんだよ?俺なわけないだろ?」

「⋯そっか⋯」


事件の話をこんなに明るくするのは、不謹慎じゃないだろうか⋯

そう思いながら、僕は空を見上げる。

いつもと変わらない朝だった。

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