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【完結済】異世界召喚されたら魔王を倒す勇者なのに何故か恋人になったんですけど、何か?  作者: ユズ(『ラジ裏』修正版・順次更新中)


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8/11

第八話 勇者、魔王の趣味にドン引く…

きっかけは、またしても王妃からの伝書鳩だった。


『魔王殿下の様子を見てきてくださいませ』


……おれ、勇者からパシリに格下げされた?

というか、最近まったく勇者っぽいことしてない気がする。

……いや、気にしちゃダメだ。


***


「殿下〜、入りますよー?」


ノックして扉を開けた瞬間——

魔王の顔が、見たことないくらい固まった。


「……っ!? ま、待て勇者! ここはまだ片付けが——!」


手遅れだった。

机の上にずらりと並ぶ勇者アクリルスタンド。

壁一面のポスター。

そして、部屋の空気より濃厚な「愛」。


「……殿下、これは……?」


「ふ、ふふっ。余の“記録室”だ。深い意味はない……はずだ」


「いや、深すぎるでしょ!?」


魔王は苦し紛れに話をそらすようにアクスタを指差した。


「ちなみにこの等身大のものだけは特注だ。余の“本命コレクション”だ」


「どの口が言ってるんですかっ!!」


ふらふらと机に歩み寄り、両手でドンとつく。


「もう……ツッコむ気力もない……」


そのとき——“カチリ”。


壁がゆっくりと回転し、奥に隠し部屋が現れた。

棚にはぎっしりと並んだアルバム。


「……これ、風呂上がり!?」

「うむ。湯けむりが美しかった」

「……こっちは……俺? 寝相悪い?」

「ふっ、動きが激しいのも愛らしいな」

「褒められてる気がしないんですけど!?」


「もう……ダメだ……!」


頭を抱えた俺は、手に持っていた大量の写真を放り投げた。


「処分! とにかく全部捨てるからな!」

「ま、待て勇者! 余のコレクションが——!」

「はいはい、思い出は心の中に!」


(山積みになったゴミ袋がどっちゃり)


「は〜スッキリした!もっと捨てたかったけど、ゴミ袋使い切っちゃったし、まぁこんなもんだよね」


「鳩さん、これ、ゴミ捨て場まで運んでおいて!」


鳩:クル〜(鳩がゴミ袋を見つめて)

「……勇者、鳩使い荒いな……」


(魔王、肩を落として空を見上げる)

「……まぁ、再発注すれば良いだけの話だ」


鳩:クル〜「……ところで魔王殿下、再発注リストはこれでよろしいですか?」

「え、もう!?」

「仕事が早いな」


鳩:クル〜(記録:魔王、反省ゼロ)


***


 ♬ BGM:『Every Breath You Take』 / The Police

(サビ「I’ll be watching you」で鳩カメラ映像が流れる)




【あとがき:王妃の執務室にて】


「——ついに、完璧に準備が整いましたわ」


王妃は満足げにティーカップを傾けた。


この日のために、グッズの売上はもちろん、

魔王殿下からもスポンサー契約を取り付け、

王国民、そして魔界民にまで“特別な装置”を配布済み。


「ふふ……これで、“愛”は世界を包みますわね」


鳩:クル〜(記録:王妃、世界規模の“何か”を起動)


──次回、『***************』


鳩:クル〜「え? まさかのタイトル伏字!?」

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