第三話 王と王妃は賭け事がお好き?
今回は短めです…
王宮のローズガーデンにて。
「王妃よ、勇者召喚の賭けは私の勝ちであったな。ハハハッ」
「どうしてそう思われるのですか?」
「どうしても何も、召喚陣から魔王まで出てきてしまったのだ。失敗と言われてもしょうがないだろう」
(鳩:この国の王、失敗に賭けてたのかよ……)
「あら、陛下。召喚陣からはちゃんと勇者が召喚されましてよ。成功ではありませんか」
「それでも魔王をこちらの世界に呼んでしまったのだ。民からしてみれば恐怖以外の何者でもあるまい」
「陛下、情報を制するものが全てを制するのでしてよ」
パンッ。
王妃が扇子を軽く閉じた音が、庭に響いた。
「⁉︎」
「今、城下では“魔王と勇者が仲睦まじく手をつないで歩いていた”との噂が駆け巡っているそうですわ。それに──『魔王と勇者を見守る会』なるものまで出来たそうですのよ」
「なに! そんなものまで……」
「ですので、今回の勇者召喚の賭けは私の勝ちということですわね」
「またしても、王妃にしてやられたな……。では、次は勇者がいつ魔王に落ちるのかを賭けるとするか」
「あら、そんなもの賭けになりまして? だって、二日後にでも完落ちしますわよ?」
「そんなに早くは無理だろう。せめて一週間は……」
(鳩:一週間も十分早いだろ……)
「では、私が勝ちましたら──そうですわね……鳩さんの追加でもお願いしようかしら」
「良いだろう。私が勝ったら、一日、私の膝の上で過ごしてもらうぞ」
「まぁ、陛下ったら……うふふふふ」
(鳩:……この夫婦、賭けのスケールおかしくない?)
【あとがき:王妃の執務室にて】
王妃:「この鳩さんたち、たまに魔界へも遊びに行っているみたいですわよ?
どうやって次元の壁を超えているのか分かりませんけれども……うふふふふ」
王:「え? ちょっ……え? えぇぇ!?」
王妃:「陛下、世界は繋がっているものですわ。
知らぬのは……陛下だけですけれども」
鳩:クル(記録:鳩、越境確認。なお、王は把握していない)
──次回『実は全て裏で繋がっていた?』
王妃の微笑みの裏に、世界の真実が隠されている──!




