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短編エピソード12『深夜の冷蔵庫探検』

短編エピソード12『深夜の冷蔵庫探検』


夜中の2時、喉が渇いた信吾は、寝ぼけ眼でキッチンへ向かった。

だが、台所から「カタッ……」という音。

耳を澄ますと、冷蔵庫のドアがわずかに開き、そこから細長い尻尾が垂れていた。


「……ゴンちゃん?」

声をかけると、尻尾がびくっと跳ね、冷蔵庫の奥で何かがもぞもぞ動く。

信吾がライトをつけると、冷蔵庫のケーキの皿のラップ取られおり、ゴンちゃんは口の端に白いクリームをつけたまま固まっていた。


「夜食は禁止だぞ」

叱ると、ゴンちゃんはゆっくり首をかしげ、まるで「これは夜食じゃなくて捜索だ」とでも言いたげな表情をする。

次の瞬間、冷蔵庫の奥に残っていたブロッコリーをくわえ、素早く逃走。

小さな足音と、ぱたぱたと揺れるしっぽが廊下の闇に消えていく。


「……甘いものよりそっちかい」

信吾はため息をつきながらも、冷蔵庫を閉めた。

翌朝、ブロッコリーの芯だけがリビングの隅にぽつんと残されていた。



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