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短編エピソード2『ドラゴンサングラス』

短編エピソード2『ドラゴンサングラス』


「これ、懐かしい~。大学のとき流行ったんだよね」


 美沙がクローゼットの奥から見つけたのは、昔使っていた大きめのサングラスだった。テーブルの上にぽんと置かれたそれを、ゴンちゃんが興味津々で覗きこむ。


「え? ゴンちゃん、それ気になるの?」


 鼻先でつついてから、くるっと自分の頭に当ててみる仕草。明らかに“かけたい”という意思表示だった。


「ちょ、ちょっとだけだよ? 落とさないでね」


 美沙が恐る恐るゴンちゃんの額にサングラスを乗せてあげると、ゴンちゃんはぱぁっと目を輝かせ、鏡に映った自分を見てくるくる回る。


「……めっちゃノリノリなんだけど」


 その日以来、晴れた日の屋上で日向ぼっこをする時は、ゴンちゃんは必ずその“ドラゴンサングラス”をかけるようになった。羽を広げて日光を浴びながら、サングラス越しに遠くを見つめる姿は、まるでセレブの休日。


「ゴンちゃん……芸能人気取り?」


 「ははは、もうちょっと小さいサイズ探してあげようかな」


 信吾と美沙は並んで座りながら、笑い声をこぼした。



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