表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

46/246

第5章のちょっと前 「呪われし勇者」④


 容疑者その1。

「『ミハエル様に愛を届け隊』代表、クリスティです。人間ごときがミハエル様に行う無礼や暴言の数々、非常に遺憾に思っています。あのクソ人間、死ねばいいのに」


 いや、無礼や暴言の数々はわたしも受けてるし……ってか本人目の前にいるんだけど?


「ですが、それはそれ。まずはわたし達がミハエル様に認められることが大切と考えています。そうよね、あなたたち!」

「「完膚なきまでに完璧な料理を! 美味しい料理を!」」

「というわけで、わたしたちが勝つまで、生ゴミ女には生きていただかなくては困ります。天誅を下すのはわたし達ではなく、わたし達の料理であるべきです」


 肉じゃがとかタコの刺身とか、簡単なものしか作ってないんだけどなぁ……




 容疑者その2。

「『ジョン君寵愛連合』の……えっと、さっきじゃんけんで勝ったミーアです。えっと、その、ジョン君はとっても優しい人なので、誰にでも優しいのは知っています。優しいジョン君を見ているだけで、その……心が暖かくなるんです」


 ミーアちゃん、いい子だ。その言葉だけで、わたしの心は暖かくなりますとも。


「だから、あの……ジョン君が哀しむことをする人は、わたしたちの中にはいないと思います。人間の女の子にまで優しいなんて、ジョン君、超萌えです♪」

「「ジョン君萌え! わたし達の愛はジョン君のためにっ!」」


 ふと、ストーカー集団と思ってしまったことは、心の隅に仕舞っておこう。




 容疑者その3。

「『崇高なる魔族の血』司教代理のゲフィニカです。いやぁ、人間を配下に列席させるとは、今代の魔王シモン様は非常に寛大なお心を持っていらっしゃると存じます。ましてやその人間は、魔族を二度も救い、エンゼルフィッシュまで従えていると言うではないですか!」


 どうやらタコを素手で掴んだのは、わたしが思っているよりも遥かに偉業らしい。


「勇者が我ら魔族の味方になったのであれば、もはや怖いものなしです! シモン様万歳!」

「「シモン様万歳! シモン様万歳! 我ら魔族に栄光あれ!」」


 意外と心が広い人たちで安心だけど、そのサバト風の衣装はどうにかならないかな?




 容疑者その4。

「『香澄様を勝手に後援会』で副会長をしております、クルスといいます。ちなみに会長はノホホン姐さんです。此度(こたび)に限らず、お困りのことがありましたら、我々を頼ってください。微力ながら手伝わせていただきます」


 あ、わたしのもあるんだ……ちょっと嬉しいかも。

 でもノノが会長ってところだけは、ちょっと不安かも。


「テメェら、香澄様がお困りだ。血祭りだ、呪いの犯人を血祭りにあげるぞ!」

「「うぉぉらっしゃぁぁぁぁぁぁ!」」

「えっと、血祭りはやめてね?」

「血祭りはやめだぁぁぁぁ!」

「「感動っ! 香澄様、優しすぎだぁぁぁぁ!」」


 どうしよう。このノリについていけない……




 容疑者その5。

「自分は『筋肉ガルム軍』の自称総司令、マッスルボブであります。香澄様は我らがガルム様が一目置かれているお方。人間の女子ながら練兵に参加するその心意気、敬服に値します! 総員、敬礼っ!」

「「サー!」」

「香澄様に、我々のこの上腕二等筋の躍動の音、是非とも聞いていただきたい!」

「えっと……また今度ね」

「ありがとうございます! 幹部は一六〇〇時(ヒトロクマルマルじ)に俺の()……ではなく臨時軍議室に集合。リサイタルの日程について軍議を行う。今回は三曲だ!」

「「よっしゃぁぁぁぁぁ!」」


 え? 筋肉でリサイタルって何?




 というわけで、グリードがシモンに無事謁見(えっけん)し終わったあと、ジョンとグリードと一緒に、呪いをかけた犯人を捜した。

 仕事が残ってるからと言ったら、そんなことよりこっちの方が大切ですとジョンに怒られたのだ。

 その一環で色々なグループの話を聞いて回ってみたのだが、(ことごと)くハズレだったようだ。

 わたしたちは打つ手が無くなり、わたしたちは最初の前庭へと戻ってきていた。

 

「魔族って馬鹿しかいねぇのか?」

 ぽつりとグリードが呟く。


「いえ、そんなことはないですよ。たまたま話を聞いた方々が、そういう人たちだったというだけです」


 さらりとジョンが毒を吐くが、おそらく本人は気付いていないのだろう。

 ジョンは素直でいい子だからなぁ。きっと誰かに悪意を向けたことなんて無いのだろう。



※IF裏話※

香澄「どうやらタコを素手で掴んだのは、わたしが思っているよりも遥かに偉業らしいんだよね……」

ミーア「あの、その……偉業というか、わたしたちとは違うって言うか……」

クリスティ「はっきり言って大丈夫ですよ、ミーアさん。『うわっ、何あの人……ありえない』って感じたと」

ゲフィニカ「ヒャーッハッハッハ!! 香澄様は我々の常識など容易く超えてしまわれるのですよ!」

マッスルボブ「聞けばそのタコとやら、全身がほぼ筋肉だとか! 是非とも語り合いたいものです!」

クリスティ「香澄さん、あなたはこのお二方と一緒です。わたしには常識を踏み外したように見えますわ」

香澄「えっ、わたしってこいつらと一緒!? そんな……クルスはわたしの味方だよね!?」

クルス「すみません香澄様。我々もタコの件だけは……」

香澄「………………」


以上、新キャラ達の常識度が分かる会話でした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
風変わりな恋愛小説はじめました。
悪「役」令嬢なんて生ぬるい! ~婚約破棄を宣言された辺境伯令嬢は、ナメた婚約者に落とし前を付けにいくことにしました~

王道の婚約破棄から始まるのに、少し変わった悪役令嬢ものです。
良かったらこちらもお願いします。

小説家になろうSNSシェアツール
小説家になろうアンテナ&ランキング
小説家になろう 勝手にランキング
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ