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ユグドラシル物語~未来を見る瞳  作者: あおい聖
聖王国編 第四部 隠れ里
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13話 カナメとマコト

 先ほどはこれによりケンシンは投げ飛ばされたのである。


 ケンシンはその経験を活かし今度はすぐさま槍を放し、振り向くと同時にサキを抱え上げ駆けだす。


 槍の抵抗が無くなったオーク・キングは、その槍を駆けだしたケンシンへ向けて投げつける。


 唸りを上げて飛んでいく槍はケンシンの右腰付近を粉砕した。


 ケンシンは転げる寸前にサキをマコトへ向け放り投げた。


 正にその瞬間オーク・キングの斧がケンシンへと迫る



「ケッケンシン君!!!」



 サキの鳴き声ともいえる叫びが木霊する。


 しかし、その斧がケンシンへと振り下ろされることはなかった・・・


 マコトやサキの視線の先で斧を持ったオーク・キングの腕がクルクルと宙を舞っていた。


 【魔刃】カナメの切り上げた一太刀がオーク・キングを切り裂いていた。



「ブモッ? ブモモモッ!!」



 怒りに我を忘れたオーク・キングがカナメへと突撃した。



 カナメは冷静に【魔刃】を纏った神狼丸を上下に振るう・・・【双竜閃】・・・【魔刃】で強化された2連撃・・・更にそれで攻撃は終わらない。ステップを踏むかの如くクルリと回り3連撃【竜爪斬】・・・その反動でカナメはオーク・キングの背後へと回り込み、振り向き一閃・・・【竜尾斬】この一撃で終わりと言わんばかりにカナメはまた反対に振り向きオーク・キングに背を向けると神狼丸を振り、付いても居ない血を拭い鞘へと納める・・・カチリ・・・


 その音と共にオーク・キングは崩れ落ち辺りにその血が飛び散った。


 するとそこへ



「「「おお!!!」」」



 と雄たけびを上げウインガーを先頭にウインガー隊、更にダンジョン前に残っていた兵士たちがなだれ込んだ。


 また、カナメがオーク・キングなどの主力と戦っている間ロードはその背にハクオウとコクテイを乗せ縦横無尽に駆け回り【唄】を発動していた。


 最早オークたちにはその場を統率できる指揮個体もおらず、次々と討たれていく・・・


 しばらくすると更に雄たけびが上がり



「さあ、ここで終わらせましょう! 皆さん突撃してください!」



 レミエルの声が響き渡りフェザス隊、それにノボルやミコト、レイカと言った者たちも加わり止めとなった。


 戦いを他の者たちに任せカナメはマコトたちへと歩みより



「大丈夫ですか?」



 と声を掛ける。


 その声に我に返ったマコトが



「カナメ君、その、助かったよ。」



「どういたしまして・・・でいいのかな? そっちは大丈夫?」



 カナメはサキへと視線を向ける


 サキは一生懸命砕けたケンシンのかけらを集めていた。



「・・・大丈夫・・・大丈夫だからねケンシン君。きっと治るから・・・」

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