12話 オーク・キング
サキは言われるがまま指示を出す。
「ユキムラ君とマサムネ君は、騎士たちの護衛! ケンシン君はマコト様の援護を!」
ユキムラとマサムネは無言でオークを迎撃してアートス達の守りに着く
「承知!」
ケンシンはオーク・ジェネラルと戦うマコトの周囲のオーク・ナイトたちを蹴散らし始める。
それを見てサキはアートスへと駆け寄り
「も~サキたちに迷惑かけないでよね。」
アートスは怒りに我を忘れそうになり、腕をプルプルと振るわせると、その肩を先ほどまで倒れていた騎士が手を置き
「よせっ! 今回は我らが悪い!」
アートスは唇を噛みしめ血がにじむ
「放せ、分かっている。だがこのままでは・・・」
マコトがオーク・ジェネラルを相手にしているとはいえ多勢に無勢で次第に追い詰められていく。
そんな時、マコトたちを囲むオークたちの背後で光が爆発する。
更に大きな声が木霊する
「【光よ! 駆けよ!】」
と・・・その声が聞こえた刹那、2匹の光の狼がオークたちを蹴散らし、マコトと対峙していたオーク・ジェネラルに食らいついた。
食らいつかれたオーク・ジェネラルはもがき苦しみながら転げまわり、ついには動かなくなる。
蹴散らされた先ではカナメがオーク・ナイトを切り捨てる光景が目に入った。
「援軍か! 助かった! おお~い!・・・」
マコトが声を掛けようとした時その目の前をケンシンが飛んでいった。
マコトがはじけ飛んだ場所へと顔を向けると、ひと際大きなミスリルアクスを持つオークが目に飛び込んだ。
「・・・キング・・・オーク・キング・・・」
アートスのその言葉にマコトの頬を冷たく汗が一滴流れた。
オーク・キングはその引きつった顔をしたマコトたちを見て
「ブッヒッヒヒヒッ♪」
と口端を釣り上げ涎を垂らし、更にその視線はサキへと注がれその股間を膨らませた。
ゆっくりと迫るオーク・キングにサキは口をパクつかせてその場で座り込んでしまう。
それを見たマコトは
(動けよ! 俺は勇者なんだ! ここで動かなければ!)
心で叫んでも体はその恐怖に震え動けないでいた。
オーク・キングが左腕でサキを掴もうとするとその眼前に右腕を失ったケンシンが立ちはだかった。
「主よ、早く逃げよ。長くは持たぬ。」
そう言って左腕でミスリルの槍を力いっぱい突き出した。
するとオーク・キングの身体が怪しく光るとケンシンが付き出した槍がオーク・キングの手のひらで受け止められ掴まれた。【堅牢】・・・オーク・キングが発動したスキルによりケンシンの攻撃は阻まれ、掴んだ槍を無造作に振り回す・・・




