10話 結界
ガルドは神狼丸を手に取りひっくり返したり横から目を細め覗いたりして
「なるほど、ここがこ~なって・・・ふむふむ・・・」
そして意を決したように鞘から引き抜くと
「ほぉ~こいつは・・・素材はミスリル・・・だが人の手によるものじゃない? そんな事有り得るのか?」
一通り確認して再び鞘へと納めると、カナメへと突き返し
「いや~いいものを見せてもらった。参考になったわい。」
するとフェザスがカナメへと近寄り
「撤収準備整いました。」
「ご苦労様。さて出発しましょうか?」
カナメがガルドへと声を掛けると
「うむ・・・その前にちょっと墓参りに行っても良いか?」
「構いません。」
カナメの許可が下りたことでガルドとニナが工房の裏へと回る
カナメもその後を追う様についていく
そこは木々が生い茂る中であって日が差し込む場所に野花であろうかびっしりと咲き誇り、その中央に2つ細長い石が立っていた。
そんな石の前に2人は肩へ座をつき手を合わせ目を瞑る
「父様、母様仇は必ず取る。」
「なに、心配なんかいらねぇ!儂が付いとる。それにお主らと同じように契約者様もな・・・」
2人が祈りをささげている間カナメは兵たちを使いお墓と花畑の周囲に5カ所魔石を隠すように置く
祈りの終わった2人がカナメの下へ来ると
「いったい何をしておるんじゃ?」
カナメは手で2人を制して
「【大地の祈り、聖なる息吹、周囲を包みて、彼の地を守りたまえ】」
そう口にし右足をト~ントンと踏みつけると、周囲に置かれた魔石が光だし五芒星を描く。描かれた五芒星が淡い暖かな光を発し、周囲へと溶け込む
「終わりました。」
カナメの言葉にガルドは
「いったい何をしたんじゃ?」
「悪意ある物は近づけず、また魔物も寄せ付けないそんな結界を張りました。2~3年くらい持つでしょう。」
カナメがそう言い捨て振り返り歩き出す。
ガルドとニナは顔を見合わせ頷き合いカナメの背中に深々と頭を下げ、その背を追う様に駆けだす。
・・・・・・・・・・・・・・・
森を抜け里へと戻って来たカナメたちの下へレミたちが駆け込んでくる。
「カナメ様! 大変です! 勇者様達がアートス達を連れ戻しに行くと言って迷宮へ向かってしまいました!」
その言葉を見計らったかのように
「ブヒッ! ブヒヒヒヒ!」
と鳴き声が木霊する
カナメは近づく気配を感じ取り声を張り上げる
「レミ! 迎撃準備! ガルドとニナも里をお願い! フェザスも防衛戦の方へ! ウインガーは俺と共に迷宮へ!」
「分かりました。カナメ様も気を付けて!」
「どこにでも馬鹿はおるか・・・」
「爺様! 早く柵の中へ!」
「ウインガーちゃんと働けよ?」
「誰にもの言ってんだ! そっちこそぬかるんじゃねえぞ!」




