09.5話
一方【鉱石の迷宮】ではアートス達が1階層を捜索していた。
辺りは起伏も少なく遠くまで見渡せ、またのどが渇くことから乾燥していることが分かる。十分に水分を補給しながら慎重に歩くアートスに1人の兵士が声を掛ける
「アートス様! 止まってください!」
アートスは立ち止まり振り向く
「何だ?」
「ハッ! この迷宮可笑しくないですか?」
兵士が何を言っているのか分からずにアートスは眉をしかめる。
「さっさと結論を申せ!」
苛立つアートスの声が大きくなる。
「本当にお分かりにならないので?」
「諄いっ!!!」
「ここは【鉱石の迷宮】であることはご承知のことと存じます。」
「それくらい知っておる。」
「1階層、2階層が【ウッドゴーレム】というのは?」
「もちろん知っておる。」
「そこまでお分かりであれば【ウッドゴーレム】がいないことは不思議に思いませんか?」
すると魔術師の男が
「なるほど、さらに言えばオークがいないということだな。」
「はい、寧ろここが本拠地であれば・・・」
「見張りがいないとおかしいというわけだな?」
「その通りでございますアートス様。しかしながらここには見当たりません。」
「うむ。言われてみればそうだな・・・」
アートスは腕を組み考え込む
「・・・だが、オーク共が使ったと思われる小屋なんかが入り口や迷宮の浅い場所に数多くあったぞ?」
「それでしたらある程度予測が付きます。」
魔術師が口を挟み説明する。
「まず考えられるのはこの迷宮ではなく迷宮近くにオーク共の集落が出来たのではないかと言う事。」
そう言って周囲を見渡すとアートスを含め頷く
「そのままでは人に気づかれる・・・故に迷宮に潜んだと言う事。」
「うむ、迷宮であれば目立たんからな。」
「そうです。さらに言えば武器などの材料の調達でしょうか。」
「ならば、奥に進んでも手柄は立てられぬな・・・それに何処に拠点があるかということになる。」
「それでしたら里を内部から襲えて、水がある場所・・・」
「里北部の水源地付近か! こうしては居られん! 1部隊を残し、残りの部隊で向かうぞ!」
「「「ハッ!」」」
アートスは出口へと駆けだす・・・
迷宮の入り口を出ると拠点として簡易的に作った陣にオークたちが襲い掛かっている場面に出くわした。
「ええ~い、こんな時に! さっさと蹴散らすぞ!」
アートス達の加勢によりオークたちは怯み東へと逃げていく
「深追いはするな! 怪我人とこの陣を守るために1部隊残していく! 残りは水源地へと向かう! 我に続け!!」




