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ユグドラシル物語~未来を見る瞳  作者: あおい聖
聖王国編 第四部 隠れ里
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06話 食糧庫襲撃事件

 日の光がオアシスの湖面を照らしキラキラと輝くすがすがしい朝で、兵士たちが慌てていた。


 里の防衛のために居る兵士たちの食糧庫が何者かに襲われ、干し肉など保存のきく食料や水袋など多数消失していた。



「これって・・・」



 マコトは倉庫近くに落ちていた身分証を拾い上げる


 ハジメはマコトが拾い上げた身分証を見て目を見開き驚いた。



「それって僕たちを護衛していた騎士の身分証じゃないか!」



 驚いて発せられた声は思いのほか大きく、周囲で物証を探していた兵士たちが駆けてくる。



「よろしいでしょうか勇者様?」



 マコトから身分証を受け取った兵士が確認して



「誰か! 門前に居る騎士たちを確認してきてくれ!」



 その言葉にマコトが



「あっ! 俺もいきます! 何かあった時あなた方では対処できないでしょうから。」



 すると声を発した兵士は少しの間考え込み



「・・・お願いします。」



 その言葉を聞きマコトを含めパーティーメンバーがいなくなったのを確認した兵士は小声で



「そこのお前、姫様にもこのことを伝えてくれ。」



 頼まれた兵士は無言で頷き駆けだした。



 これはマコトたち勇者をこの兵士が信用したい気持ちと命令違反を犯した騎士たちをそのままにしていた不信感からの処置だと言える。



・・・・・・・・・・・・・・・



 朝食を終え調査のための準備を行うカナメたちの前に兵士が駆け込んでくる



「ん? 止まれ! どうしたんだ?」



 ウインガーの言葉に兵士は立ち止まり



「申し上げます! 昨晩何者かに兵舎にある食糧庫が襲撃され、食料並びに水袋が多数奪われました。」



「なにっ! 何処のどいつが犯人か分かっているのか? 里の住人であったなら・・・」



 ウインガーの言葉を遮るように兵士は



「住人ではありません! 現場近くで騎士の身分証が落ちていました。恐らく勇者様の護衛騎士の者であるかと・・・勇者様が確認に向かわれましたが・・・」



「共謀の可能性があるのですね。」



 レミエルがウインガーの後ろから声を掛けると兵士は敬礼して



「ハッ! その通りでございます姫様。」



「分かりました。私が参りましょう。カナメ様は予定通りに調査に出てください。」



「ああ、こっちのことはレミに任せるよ。」



 カナメはそう言うとロードへと跨り



「聞いたね。まずは昨日の話にあった森のドワーフ工房へ向かうよ。入り組んだ場所にあるみたいだから生存している可能性が高い。」



「無事であれば避難させ、襲われた後なら調査ですね。」



 フェザスの言葉にカナメは頷き



「はい。だから俺はロードと共に先行します。」



「分かりました。我々も出来るだけ早く駆けつけるようにいたしましょう。」



 フェザスの言葉を聞いたカナメはロードへと指示を出しかなりの速度でロードが駆けだした。

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