05話 裁定
今はもう騒ぎは収まって兵士たちからわずかながらではあるが食料が配られていた。
あの後マコトたちも現れたのでドミニオンからの命令書を出してもらい読み上げた。
「『此度の異変に対し次のことを貴公らに命ずる。1つ、勇者マコト殿と共に里を守ること。1つ、1人あたり食費として5000b与えること。1つ、装備の手入れなどの費用は別として50000b与えること。また食料は補給隊を送るので住民から要請があれば与えること。以上聖王国国王ドミニオン・クルス。』と書かれていますが? アートス殿はお読みになっていないと?」
フェザスが読み上げた言葉にアートスは苦虫を噛み潰したように顔をしかめ
「ぐぬぬぬ・・・たっ確かにそう命令されていたがっ! 勇者様の依頼で高ランクの魔石をとのことでありましたので・・・」
「それに使ったと?」
レミエルが冷ややかな目で見つめる。
「は・・・はい・・・」
アートスは力なく答える
レミエルはマコトへ顔を向け
「このように申しておりますが、マコト様たちはそのような依頼を出していたのですか?」
「え~サキはこの里を守った見返りにAランクの魔石を貰ったんだよ?」
するとカーネイスもサキを擁護するように
「はい。確かに里を守るためという名目で、私めが差し上げました。」
「こうカーネイス殿も言っていますが?」
アートスは落ち着きなく左右に首を振り右手の親指の爪を噛みしめていた。
「それで、食費は何処に消えたんですか?」
カナメが核心を問いただすために口を開く
この言葉にはマコトたちも困惑する
「俺たちは、準備や手配は全て彼に任せていたから・・・」
アートスをしさすると他のメンバーも頷く
野次馬も含め人々の視線がアートスに集中する
「・・・酒や・・・兵たちの給金として・・・その・・・分けた・・・」
「はぁ、呆れた。確か任務終了後に報告を上げ、余ったお金は国に返還するだったよねレミ?」
「はいカナメさま。そうなってます。」
「つまり横領だよね。マコトたちも含め・・・」
「そうなりますね。でもマコト様たちは問われないかと・・・まぁ叱られはするでしょうが・・・」
緊張していたマコトたちに安どの息が漏れる。対照的にアートス達は顔を青く籠らせていた。
「まぁそっちはカーネイスさんに任せるとして、フェザス、ウインガー食料の一部を住民に配るよ。」
「はっ!」
「了解だカナメ様。」
フェザスは馬車へと向かい、ウインガーは母親に抱えられた少年の頭をなでながら
「いっぱい食って大きくなれよ。」
「うん! 僕大きくなったらおじちゃんみたいな立派な騎士になる!」
「おいおい、まだおじちゃんって歳じゃね~んだがな・・・」
そう言ってウインガーが頭をかくと周囲から笑い声が上がった。




