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ユグドラシル物語~未来を見る瞳  作者: あおい聖
聖王国編 第三部 氾濫
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18話 傷つきし者

 鳴き声が響き渡る中


 コウはリボルバーK1を片手に撃ちまくる



「くそっ! 右の階段が抜かれた! ハルカ!」



 その声にハルカもリボルバーK1を構え階段を降りるオークを撃ち付ける



「無理~! 数が多すぎる!」



「ラビィちゃん! 【マジックアロー】」



「きゅぃきゅぃ!」



 アカネの声で白いホーンラビットのラビィはアカネの肩から身を乗り出し


 鳴き叫ぶと【マジックアロー】が放たれる


 だが気休め程度にしかならずオークたちは門へと到着した


 オークが閂に手を掛けると


 アカネが



「ダメェェェェ!!!!」



 その瞬間オークへ向けパンッ!パパンッ!と乾いた音が鳴り響く



「「「うぉぉぉぉっ!!!」」」



 その直後に兵たちがオークへ向け突撃した



「みなさ~ん! ご無事ですか~!!」



 レミエルが手を振りながらそう叫ぶと


 アカネが叫んだ



「ツトム先生が! ツトム先生が!」



 その叫びにレイカ達は顔を見合わせ頷き、オークたちを兵たちに任せ階段を駆け上がる


 するとそこには包帯を巻かれ、その包帯に血を滲ませ横たわるツトムの姿があった



「私を! 私を庇って!」



 泣き叫びながら訴えるアカネをハルカが宥める


 そしてハルカはレミエルを見つめると


 レミエルは頷きツトムへと駆け寄り



「水よ! 傷つきし者に癒しを【癒しの雫】」



 水術により生み出された雫がツトムへと注がれ


 青かった顔色が赤みを帯びる・・・


 しかしレミエルの表情は硬く



「レイカ!」



 その言葉にレイカもツトムの横へと腰を降ろし



「重ね掛けするのね?」



 レミエルが頷くと2人が丁度対となる位置取りをして


 頷き合い



「「光よ! 癒しの光とならん【ヒーリング】」」



 強い光がツトムを包み込む



「どうだ?」



 ノボルが望み込む


 そして皆の視線がレミエルへと集中する・・・


 しかしレミエルは首を左右に振り



「だめっ! まだ足りないわ!」



 すると何処からともなく


 キュッ・・・ポンッ!


 と音がなりツトムへと液体が掛けられる



「なっ! 何をする!」



 コウはそう叫び液体をかけた者を睨み付ける



「ん? ポーションだけど・・・」



 そこにはいつの間にかカナメが来ていて


 ポーションの入っていたからの瓶をポーチへと仕舞う


 更にもう一本取り出しツトムへと駆ける



「・・・ん・・・ん~」



 するとどうであろうツトムは意識を取り戻し目を開き自身の身体の状態を確認して



「クンクン・・・【上級ポーション】か? えらい高価なものを使ったな。」



 その言葉にコウを始めツトムのパーティーのメンバーが涙を流し



「「「ツトム先生!!!」」」



 と抱き着く



「イタッ! 痛いから! 離れろ! 離れてくれぇぇぇ!」



 彼らにはもはや戦いの声は聞こえていなかった・・・

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