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ユグドラシル物語~未来を見る瞳  作者: あおい聖
聖王国編 第三部 氾濫
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08話 勝利と絶望と

 昼過ぎになり再びオークたちが動き出す


 オークたちの口から大量の涎を垂らしながら・・・


 そんなオークたちを見て笑っていた兵士たちの顔が突然驚きに変わる


 オークたちはそのまま突撃してくるかと思われたが


 2つに分かれ砦を囲むように展開すると



「なっ!【包翼陣】だと!」



 兵士が口にした【包翼陣】とは鳥があたかも翼を広げる様と人の親が子を包み込むように抱擁する様を掛けた事より名付けられた包囲殲滅用の陣形である。



 すぐにリーリスはライフルを持つ兵たち【狙撃兵】に指示を出す



「弓を持ったオークアーチャーを優先的に狙いなさい! そうすれば弓兵、魔術師団が安心して攻撃に当たれます。」



 その言葉に従う様に次々とパンッ!パンッ!パパンッ!と鳴り響き


 オークアーチャーを全て仕留めるとそこからは一方的な展開となった。


 突撃してくるオークたちの頭上に


 反撃を気にせず矢が雨のように降りそそぎ


 それでも止まらず突き進むオークたちに


 今度は水術による水の矢が降りそそぎ


 終わって見れば1匹のオークも外壁へとたどり着けずに


 その命を散らした。


 この勝利に大いに喜び浮かれ


 ささやかではあるが宴が模様された。


 翌日聖王ドミニオンが近衛兵を伴い駆けつけると


 より一層勝利を確信したのだが・・・


 その日の夕暮れにその顔から笑みが消える


 辺り一面を覆い尽くすように押し寄せるオークの一団


 少なく見積もっても1000はくだらない量に・・・


 対する砦の戦力は400・・・


 だがその日にオークたちは行動を開始しなかった


 暗くなり篝火がたかれるまでは・・・


 暗がりでオークたちの泣き叫ぶ


「ブヒッ! ブヒヒヒヒ!」


 と言う声が夜通し聞こえ


 兵たちは眠れぬ夜を過ごす。


 翌朝、日の出と共に兵たちの目に飛び込んできたのは


 既に砦を包囲するかのごとく敷かれたオークたちの陣形であった。


 また何処から用意したのか梯子がちらほら見受けられたのである。



「なっ! 馬鹿な! 梯子だと! リンクスの奴め・・・」



 そう叫びドミニオンは唇を噛みしめた。



「ブヒッ! ブヒヒヒヒ!」



 と大きな声が木霊すると四方より一斉にオークたちが押し寄せる



「迎撃開始! 撃てぇぇぇ!!」



 サイラスの叫びで狙撃兵から銃弾が放たれ


 梯子を持つオークや弓を持つオークアーチャーを優先的に狙っていく


 昨日のドミニオンと共に補充された兵の中にライフルを持つ者たちが居て


 各門へ10名づつ計40名の部隊となった狙撃兵から放たれるも


 オークたちは数にものを言わせ押し寄せる


 そして弓の射程・・・魔術の射程と近づくにつれその兵種に驚く


 アーチャーが居るから弓が返されるのは分かっていたが


 魔術の射程で魔術が返されたのである。

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