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ユグドラシル物語~未来を見る瞳  作者: あおい聖
聖王国編 第二部 ダンジョン
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13話 子狼

 街道を走る馬車の中で



「カナメ君1人にして大丈夫かな?」



 レイカが心配でそう口にする



「大丈夫であろう。ニャコ様も居る。知らぬ者たちの中で自分に向き合うのも必要であろう。」



「そうですね。私たちはカナメさまが安心して自分と向き合ってもらうためにも・・・」



 レミエルの言葉を遮るようにミコトが



「リンクスの悪事を暴くってことなんだけど・・・」



「なぁゴブリンたちは何処から来たんだ?」



 ノボルがそう言うとミコトが呆れたと言った様に



「はぁあんた何を聞いていたの? 第五層の先は結界の隙間がありそこから入って来たと。」



「だからその先! 隙間の先さ!」



 馬車に乗っていた全員が目を見開く



「おいおい、そんなに驚くことかよ。」



「そうですわ、どうして気が付かなかったのかしら。」



「その先は確か・・・海岸線・・・山を越えると隠れ里へ続く抜け・・・まさか!」



 レミエルとノーマが互いに目を合わせ頷き



「「隠れ里!」」



・・・・・・・・・・・・・・・


 一方カナメは1人部屋の中で瞑想をしていた


 見る者が見れば驚きのあまり腰を抜かしたであろう


 魔力を体の中で循環させるだけなら驚くまい


 カナメはその先にあるとされる


 自然界にある魔力を己に取り込み


 また取り込んだ魔力を自然に返していたのだから


 そこへ空いていた窓から白い犬のような狼の子供と思しき動物が飛び込んできた。



「ん? 俺に何か用?」



 白い子狼は下を出しながらその瞳でカナメを見つめていた



「クゥ~ン、ク~ン」



 カナメの足にすり寄って来た



「慰めてくれるのかな? 俺は大丈夫。あっそうだこれ食べる?」



 そう言ってカナメは腰のマジックポーチから干し肉を出すと



「ワンッ!」



 とひと鳴きしてカナメの手から干し肉を奪う


 一心不乱に食べるその光景に自然とカナメの顔に笑みがこぼれると


 窓から今度は黒い子狼が飛び込んできて



「ワンッワン!」



 と吠えると白い子狼は顔を伏せ顔を背けた



(まるで叱られているみたいだね。)



「君も食べるかい?」



 そう口にして干し肉をもう一つ取り出し黒い子狼へ向ける



「ワゥ~・・・ワンッ!」



 初めは逡巡していたみたいだけど食欲には勝てず干し肉をカナメから受け取り食べだす。



「ワゥ~ンン。」



 白い子狼がそうなくと黒い子狼は



「クゥ~ン、バゥワゥ!」



(まるで「しょうがないだろ~、それにお前も食べてるじゃないか!」って言っているみたいだね。)



 2匹の子狼は食べ終わるとカナメの傍で丸くなり眠り始めた。

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