15話 実戦
翌日カナメたちは聖都西方の平原へ来ていた。
「それにしてもノーマさんが元騎士団長だったなんて・・・」
カナメは昨日の話し合いで出たサイラスの「師匠」発言をノーマに詳しく聞いていた。
「フォフォフォ昔のことだ。老兵はただ去るのみじゃ。」
愉快に笑うノーマの横で、これまた笑顔でレミエル姫が笑っていた。
「そうなんですよ。ノーマはお爺様の右腕とまで呼ばれた方なんです。」
自分のことの様に満面の笑みでレミエル姫も話に加わる。
カナメたちのパーティーにレミエル、ノーマを加えたパーティーが馬車に揺られ道を進んでいた。
業者は勿論兵士が務めているがパーティーではない。その他に4名の騎士が騎馬に乗り馬車を囲んでいた。
ノーマが辺りを見回し
「ここらでいいじゃろう。止めてくれ。」
業者は後ろを向くことなく
「はっ! ど~ど~」
手綱を引き馬車を止めた。
馬車を降りてレイカが
「ん~きもちいい~」
と背伸びをして辺りを見回した。
「そうね。これから実戦でなければなおよかったのだけど。」
続いてミコトが降りレイカの横に歩みそう呟く
「確かに! っと」
ノボルは飛び降りるとカナメは馬車を降りながら
「不用心だね。警戒しないと・・・もう実戦訓練は始まっているんだよ?」
ノボルはやっちまったと言った苦悶の表情で
「わりぃ~そうだよな。」
するとノーマが馬車から降りて振り返り
「姫様お手を。」
レミエル姫はその手を掴み
「ありがとう。」
そう言って馬車を降りた。
そしてノーマは周囲を見渡し
「どうじゃな?」
するとカナメは
「あちらに気配が有るように感じます。」
ノーマは頷き
「うむ、いるな。数は分かるか?」
カナメは首を振り
「この距離では難しいですね。」
「そうか・・・3匹じゃ主たちなら問題あるまい。お前たちはここで馬車の護衛をしておれ。」
騎士たちはこぶしを握った右腕を胸の位置まで水平に上げ
「ハッ! 了解しました。何かあれば呼子でお呼びください。」
「うむ、それじゃあ行くとするかのぉ・・・っと儂が仕切っては意味ないか。」
するとレミエル姫が
「でしたらカナメさまがリーダーでよろしいかと思います。」
「さんせ~」
ノボルは押し付けるように即座に了承する。
「私もカナメ君でいいと思う。」
レイカも同意する。
「良いんじゃない。私たちの中でカナメが一番強いんだし。」
ミコトの同意を得たことで、ノボルとミコトが前衛、カナメを挟みレイカとレミエルが後衛となり歩き出した。
しばらく進みカナメが
「止まって、動いてない? 待ち伏せは考えにくいか・・・」
カナメは1人ゆっくりと少し丘のように盛り上がった場所を慎重に上っていくと丘の上に3匹のゴブリンが寝そべっていた。




