03話 ユウナとビリー
ビリーを治療した翌日、ユウナは1か月前から続けている早朝訓練を始めていた。すると奥から騎士を伴ったビリーがユウナの下へ歩いてくる。ユウナと同じように訓練にいそしんでいた兵士たちは、慌てるように敬礼する。
「あっ僕にかまわず続けてください。」
同じことを兵士たちに繰り返し言いながらユウナの下へと来て
「おはようございます。昨日はありがとうございました。」
「・・・別に・・・」
騎士が何か叫ぼうと前に出ようとして、騎士の目の前をビリーの腕が遮る。
「良い。」
騎士はビリーの言葉に了承してユウナを睨み付けながら元の位置へと戻った。
「改めまして、僕は騎士王国王子ビリー・ナイトメイス。よろしくお願いします。」
「・・・ユウナよ。今は聖王国所属・・・」
ビリーに一瞥してユウナは訓練へと戻る。
「貴様! その態度、このお方がどういうお方か分かっているのか!」
先ほどから睨み付けていた騎士がユウナを怒鳴りつける。
「この国の王子様でしょ? 昨日聞いたし、さっき本人から聞いたわ。」
ユウナは気にせずに訓練を続ける。
「貴様! 無礼であろう!」
「ああ~! もう煩い!」
ユウナは訓練をやめ騎士を睨み付け
「訓練中よ! 邪魔しないでくれる? 今の私には後が無いの! 用が無いならどっかいってくれるかしら?」
騎士は腰の剣の柄へ手を駆ける
「やめよ! 訓練中に声を掛けた僕が悪いんだ!」
ビリーはその場で大声を上げる。
「しかし!」
「諄い!」
騎士は目でユウナを殺す勢いで睨み付け震えながら柄から手を放す。
「部下が失礼をした。」
ビリーは頭を下げる。
「別にいいわよ。それで何か御用かしら?」
ビリーは顔を上げ
「少し話でもと思ったのだが・・・」
「良いわ。今日の分はもう終わったから。朝食を食べながら出良ければ。」
「ええ是非。」
「分かったわ。」
ユウナはそう言って振り返り
「はい! 今日はここまで、皆も着替えて朝食をとってください。」
「「「ハッ!」」」
その場で綺麗に全員が一糸乱れぬ動きで敬礼をした。それを見たビリーや騎士は間を見開き驚くのであった。
・・・・・・・・・・・・・・・
援軍が到着したことにより最早その規模から隠れ家とは呼べないくらいの大きな部隊となっていた。そんな中大きな天幕の中で、テーブルを囲みながらパンとスープのみではあるが簡単な食事が出され、優雅にパンを摘みながらユウナは口へと運ぶ。
「・・・何?」
そんなユウナを見つめて、対面で手が止まっていたビリーにユウナが声を掛ける。




