02話 騎士王国王子
【アーマネス】北部、【スピナス】の東南部にある隠れ家から1人の少年の面影を残す男が白い馬で駆け抜ける。
「王子! ビリー王子!!!」
それを追うかのごとく騎士が馬に乗り駆けて行く。
「このままむざむざと・・・」
ビリーは隠れ家へ駆け込んできた兵士を思い出しながら呟いた。
「【聖槍ライオネル】よ僕を、皆を守ってくれ。」
2時間ほど駆け抜けると前方で戦闘の音が聞こえ、煙が上がるのをその瞳に映した。
「僕はビリー! ビリー・ナイトメイス! 不死族の浮上なる者よ! この【聖槍ライオネル】を恐れぬならば我前に来るがいい! ハッ!」
ビリーは多々だかと叫び馬で駆けだした。
「くっ! 王子に続け!!!」
何とか追いついた騎士たちは休む暇なくビリーの後を追った。
「王子! なぜ来たのです!」
【スケルトン】を切り捨て騎士が叫ぶ。ビリーは近づき
「これ以上皆の命を散らせてなる者か!」
その言葉を聞いた騎士たちは顔をしかめる。
「くっ! なんと愚かな・・・王子が死んではこの国に未来はないのですぞ!!」
騎士に迫る【スケルトン】へ向けビリーは白く輝く槍を突き立てる。
「助けることが愚かだと申すのか?」
「ええ、愚かですとも! 貴方様は我ら騎士王国の希望! こんな不利な状態で! 危険な場所で! 戦っていい方ではないのですぞ!」
「煩い! 黙れ! 僕は戦うと決めた・・・」
「王子ぃぃぃぃぃ!!!」
ビリーの背中に矢が突き刺さり馬から転げ落ちる。騎士はすかさず駆け寄り王子を抱きかかえ、ビリーが乗っていた馬にビリーを抱えながら乗り
「すまん! ここは任せる!」
苦虫を噛み潰したような顔で叫び駆けだす。ビリーの護衛の騎士たちはそれに続き、ビリーが助けようとした者たちは決死の覚悟で【スケルトン】へ特攻をかけた・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
木々に囲まれ分かり辛い場所にある洞窟の隠れ家へと馬車が駆け込む。その馬車からユウナが降りると、騎士がユウナへと近づき
「聖女様、急ぎこちらへ。」
慌てるようにユウナの手を取り、返事を待たずに駆けだす。
ユウナは連れ込まれた先で包帯にまかれうつぶせに寝ているビリーの下へと連れてこられる。
「すみません治療をお願いできますか?」
うなされるビリーを見てそれまで膨れていたユウナはため息をつく
「はぁ、どういうことですかこれは?」
「この方は騎士王国王子ビリー・ナイトメイス様です。」
ユウナは説明を聞きながら治療に当たり、何も考えずに救助に向かった目の前のビリーを見ながらマコトと重ねる。




